じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

11月歌舞伎公演-東京・国立劇場-

本日レポートいたしますのは、先月より入団しました新人・弘です。どうぞ今後ともよろしくお願いします。
先週末11月17日(土)は、国立劇場に歌舞伎『浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)』を観に行きました。出演は、松本幸四郎さん、中村福助さん、中村錦之助さん、市川高麗蔵さん他。松本幸四郎さんは今年10月30日に文化功労者に選ばれたとあって、館内にお祝いの写真が飾られておりまして、来場者の方々が写真と共に記念撮影をしている様子が見られました。

今回は通しでの演目でしたので財団新人の私でもわかりやすく、安心して楽しめました。どの幕も華やかで見応え充分ですが、『鈴ヶ森(すずがもり)』の一幕は歌舞伎特有の『血の表現』が盛り沢山(かつて財団のTwitterでもご紹介しました、以下リンクをご参照下さい)。権八と斬り合って、顔が削げる、鼻がもげる、もげた脚と共に退場する・・・、と雲助たちがコミカルに描かれ、会場は笑いに包まれました。歌舞伎初心者の方もそうでない方もみな、楽しめること請け合いです!

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2012100702000160.html

音の表現もすばらしいなあ、と感心しました。ストーリーに合った絶妙な伴奏ももちろんですが、『擬音』がまた面白いもの。鳴り物による雨音など、あらゆる場面に即した音が黒御簾(くろみす)の向こうから聞こえてきます。ケ、ケ、ケ、ケ、ケ・・・・と、お三味線による、ひぐらしの声。来年の夏は『浮世柄比翼稲妻』を思い出しそうです。

※ 財団では今回レポートした演目を含むCDを発売しております。どうぞ、こちらもお楽しみくださいね。

商品詳細→じゃぽ音っと作品情報:〈COLEZO!〉〜コレゾ!BEST!〜歌舞伎名台詞集〜知らざぁ言って聞かせやしょう〜 


(弘)