じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

錦鯉の里

例年にない寒さを感じる今日この頃。12月に入って初雪が関東でも観測されたようですが、これからご紹介するところは雪が積もっているでしょうか。自分が実際にここを訪れたのは10月初旬のこと。
新潟県 小千谷市錦鯉の里(小千谷市総合産業会館サンプラザHP)
  
たまたま近くを観光していて立ち寄ったのですが、池に放たれている錦鯉のなんとも鮮やかできれいなこと!
 
この「錦鯉の里」はこういった池だけでなく、観賞棟ではおびただしい数の錦鯉を間近に観ることができ、展示棟では錦鯉にまつわる資料の展示や映像など、あまり馴染みのなかった自分でも楽しめました。錦鯉の始まりは、19世紀前半、江戸時代の文化・文政の頃。新潟の二十村郷(現在の小千谷市長岡市の一部)で食用として飼われていた鯉に突然変異で色のついたものが現われたとのこと。以来、改良が重ねられて現在に至るのだそうです。
広いお屋敷の庭の池に錦鯉が出てくるシーンをテレビの時代劇で観た記憶がありますが、化政時代が始まりということは、それ以前の時代の池には錦鯉はなかったということになるんですね。江戸時代のいずれかとは思っていましたが、19世紀に入ってからというのは意外でした。
今やこうした錦鯉が海外でも人気を呼び、空輸されたこれらの鯉を観賞する海外のファンの方も多いのだとか。こうした海外の声に応えた普及センターのホームページをご紹介します。
国際錦鯉普及センターHP
日本の伝統文化には海外に通用する素晴らしいものが多々ありますが、錦鯉もそうしたもののひとつと言えそうですね。
それから、小千谷といえば「小千谷縮(おぢやちぢみ)」。「雪ざらし」という製法を経て生まれる、夏に涼やかな重要無形文化財。「錦鯉の里」のお隣、小千谷市総合産業会館サンプラザ内で見学できます。


昭和三色」は上記の錦鯉の里パンフレット写真中の説明から「紅白に筆で描いたようなタッチの黒斑紋を有するもの。昭和時代になって作り出された。」とありますね。他の品種の説明もあるので、写真をクリックして大きくしてご覧になってみてください(錦鯉の品種について、本投稿をお読みいただいた方からご質問いただき、追記しました)。

(じゃぽ音っと編集部T)