じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「ツタンカーメン展」

先週の日曜日に「ツタンカーメン展 ー黄金の秘宝と少年王の真実ー 」へ行って来ました。開催場所は「上野の森美術館」。

当初の開催予定は12月9日(日)迄だったようですが、好評により来年1月20日(日)迄延期になったようです。
その日12時半に上野駅で友達と待ち合わせして、上野の森美術館へ直行したところ混雑のせいか、いつもの入り方と違っていました。まずはチケットを購入して(平日と休日とでチケット代が違っています。土日祝3000円、平日2700円)そのチケットを整理券配布の係の方に見せて14時30分〜14時45分の整理券をもらいました。2時間後に集合して入れるという事なのでとりあえずランチへ。ずっと並んでいるよりは合理的ですね。

いざ、古代文明の世界へ。ツタンカーメンが世を治めていたのは紀元前1330年頃?今から3300年以上も前に実在した物が今回展示されています!
元エジプト考古大臣ザヒ・ハワス博士監修のもと、ツタンカーメンの王墓から発見された品約50点や、エジプト考古学博物館所蔵の122点が並ぶ貴重な品揃え。
いつもそうなのですが、友達に誘われるまま何も予習無しに出掛けてしまって少し反省しました。予備知識があればもっと深く感動したのではと。でも、今迄見てきた限りこれほど美しい黄金の展示物を見た事がありません。息をのむ美しさです。
見どころは、何と言っても「ツタンカーメンの棺形カノポス容器」でしょうか。カノポスとは(ツタンカーメンの)ミイラをつくる際に取り出された内蔵が保管されていた器で、それが入っていた容器に描かれた黄金のツタンカーメン殻竿と杖を持ち、上下にエジプトを表すハゲワシとコブラの付いた、ネメスと呼ばれる頭巾をつけた伝統的な姿。(この容器もともとはツタンカーメンの為につくられたものでは無かったようですが、ツタンカーメンの墓から出土された最も素晴らしい作品の一つに。)神々しい輝きです!
そして装飾品の繊細な細工にも目を奪われます。金はもちろんですがラピスラズリトルコ石、カーネリアン、ガラス等を使用した芸術性の高いデザイン。スカラベ(ふんころがし・黄金虫)をモチーフにした装飾品が数ある中で「有翼スカラベ付き胸飾り」の中心にあるスカラベの体は、隕石がエジプト西方の砂漠の砂に衝突した時に自然に形成されたガラスだそうです。
展示品の金色と一緒に青色の美しさも際立っていたように思えました。
他にも素朴ながら、約3400年程前の「ガゼルと魚の文様浅鉢」は、青い鉢の中の魚のデザインに思わず「可愛い!」と、つぶやいてしまいました。今でも使えるイラストです。それから、約10センチ程の大きさの象牙で造られた「アヒル形の化粧容器」も斬新なデザインで、今あれば欲しいくらいです。よ〜く見るとちょと不気味かもしれませんが・・・(笑)
友達は一番有名な黄金のマスクが展示してあると思って行ったらしく、少しがっかりしていました。私はあまりの混雑で人垣を越えて見たりと、よく見れなかった作品がいくつかあったことが残念でなりません。ですが、これほどの素晴らしい古代エジプトの貴重な美術作品を目の当たりにして感動し、金色に輝く秘宝に酔いしれた一日でした。

(japogirl)