じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

WASABI 和楽器ワークショップ in 調布市グリーンホール

昨日12月26日(水)は、WASABIによる和楽器ワークショップがありました。このワークショップは2013年1月13日(日)に行われるWASABIコンサート(下ご案内の写真をご参照ください)のチケットを持っている人ならばだれでも無料で参加できます。コンサート・チケット代3,500円だけで、(コンサートに行けるのは勿論)普段舞台上でしか見られないメンバーから和楽器の奏法を手取り足取り教えてもらえるなんて心底お得な企画だと思い、私も一般の方々と一緒に参加いたしました。


WASABIについて:
今の日本で邦楽や和楽器に親しむ人口が減っていることを危惧し、まずは子どもたちに楽しんでもらう事を打開策として、吉田兄弟の兄・良一郎さんが、邦楽コンサートの学校公演を発案。WASABIはこのプロジェクトをきっかけに立ち上がったユニットで、2008年〜現在に至るまで、一般公演と学校公演を両立させながら全国で活動を続けています。
メンバーは吉田良一郎さん(津軽三味線市川慎さん(箏・十七弦)元永拓さん(尺八)美鵬直三朗さん(太鼓・鳴り物)。2012年3月に財団よりCDデビュー。◆CD詳細→じゃぽ音っと作品情報:WASABI /  WASABI


さて当日のワークショップは午前と午後の2回行われ、私は午前の部に参加しました。会場になった調布市グリーンホールに集まったのは20人。冒頭でメンバーが自分の担当する楽器について、成り立ちや構造の説明そして模範演奏をしてくれます。その後、5人ずつ4班に分かれ、1班ずつ4種類の和楽器(三味線・箏・尺八・太鼓)エリアを順々に訪れます。エリア毎にWASABIメンバーが「先生」として待っており、参加者一人一人に楽器が手渡されてレッスンが始まります。

課題曲は北海道『ソーラン節』。一つの楽器当たり20〜30分のレッスンで楽器の奏法とパートを覚えて、ワークショップの最後に参加者+WASABIで課題曲を合奏します。参加者は4種類すべての楽器を体験しますが、合奏前に自分の担当楽器を一つに決め、1パート4−6名に分かれて演奏に臨みます。

【レクチャーのようす/美鵬直三郎さん】

WASABIによる課題曲の模範演奏】

吉田良一郎さんによる津軽三味線のレッスンのようす】

お恥ずかしながら、私の和楽器演奏経験はゼロ。平成14年から中学校の音楽の授業で和楽器が必修になりましたが、私はそれ以前の教育課程で学校教育を受けておりますので、公教育でも和楽器には触れる機会はありませんでした。私の班の5名の中には、お二人経験者がいらっしゃいまして、お1人目は初老の女性でお箏を習っていらっしゃるとの事。お二人目は早稲田大学に留学中のアメリカ人男性、和太鼓の経験者です。

もうお一人お話を伺った女性は和楽器にとても関心があるとのことで、「お勤めを1日休んで参加した」とのこと、とてもやる気に満ちていらっしゃいました。一つの班で行動するので、数時間のワークショップではありますが、次第に班員同士が仲良くなってきます。そのような中で和気あいあいとレッスンは進みました。

何といってもワークショップの醍醐味は、参加者20名(時々により人数は異なります)に対し講師のWASABIメンバー4人という贅沢な比率で、アーチストと密接に接せられるということに尽きるのではないでしょうか。分からなければ質問もできますし、文字通り「手取り足取り」教えてもらえます。そのやりとりの中で、また色々な所作、言葉の端々から、メンバー各々の個性や人柄が如実に分かります。

先月11月3日新宿文化センターで催されたWASABIコンサートにも行きましたが、その時まだ私にとって彼らは遠い存在でした。今回のワークショップでメンバーの「人」の部分を感じることができ、来月1月13日に調布市で行われる次のコンサートではWASABIの「人」も「芸」も合わせて満喫することができそうです。WASABIの活動の中で、ワークショップ+コンサートを抱き合わせる試みは今回が初回。次が続くことを期待しています。

ところで課題曲『ソーラン節』の発表会はどうなったかと言いますと、1時間半の短い準備期間にも関わらず、なんとも素敵な演奏になりました。ただ、筆者の担当した尺八は、ちっとも鳴ってくれませんでしたけれど・・・。

◆次回(2013年1月13日)WASABIコンサート詳細

WASABIFacebookもご覧ください。コメントをお待ちしております。 https://www.facebook.com/wasabi.official

(弘)