じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

三曲名流大会

皆様。そろそろゴールデンウィークですね。連休中は、お出かけされますか?
まだもう少し先ですが、来る5月12日(日)に、東京新聞主催の「第76回 三曲名流大会」(◆)東京文化会館大ホールで開催されます。
人間国宝・家元・名手 一千余名総出演 歴史と伝統の祭典、箏・三絃・尺八の競演とのことで、この大会は伝統があり、今年で76回目です。

さて、この「三曲」ですが、「箏曲」といわれる箏の音楽と、「地歌」といわれる三味線の音楽と、それに「尺八」の音楽、以上の三つの総称です。(日本三曲協会公式サイト◆)
何故、三曲という名称になったのかは、私は詳しくはわかりませんが、最近読んだ何かの書物で【三曲合奏の縦・横・斜め】と表現されていたのを読みました。楽器を構えた時の様子なのですが、縦が尺八=竹のようにまっすぐに、横が箏=波のように穏やかに、斜めが三味線=刀のように鋭く、というような内容だったと思うのですが(うろ覚えですが…)、三種類の楽器が奏でられる様子が表現されていると思いました。
「三曲」は、江戸時代から続く音楽です。ですから「いまふう」ではないと思うのですが、長く伝承されているそれなりの理由や魅力があると思います。
例えば《秋の言の葉》という箏曲があるのですが、聴いたイメージでは、秋の情緒を表現した優しい曲というのが、私の印象だったのですが、実は、昨日のブログでも登場した将軍徳川慶喜実弟備前岡山藩主の池田茂政が、歌詞を作詞した曲だったという歴史的背景などを知ると、曲から受ける印象が変わってきます。古典曲の場合、曲の歌詞を読んでみたり、背景などを考察したりしているうちに、はまったりすることもあります。

そんな古典曲の数々、また新しい曲も交えて、生田流箏曲、山田流箏曲琴古流尺八、都山流尺八の皆さんがご出演されます。
《    》は演奏曲目。タイムテーブル(東京新聞Webサイトはこちら◆)です。
1、《飛鳥の夢》 宮城会(公式サイト◆) 
2、《琴古流本曲 瀧落之曲》 納富寿童
3、《臼の声》 高田昇陽会・千代見会
4、《残月》 鈴木白韻
5、《都山流本曲 寒砧》 公益財団法人 都山流尺八楽会(公式サイト◆)
6、《夏の詠》 和声会
7、《若菜》 安藤恵美
8、《惜春》 山川園松
9、《鐘ヶ岬》 真磨琴会
10、《琴古流本曲 雲井獅子》 青木鈴慕(公式サイト◆)
11、《千箱の玉章》 中能島弘
12、《茶音頭》 川瀬白秋
13、《都の春》  萩岡松韻(公式サイト◆)
14、《春の曲》 佐藤親貴
15、《琴古流本曲 秋田菅垣》 琴古流協会
16、《岡康砧》 箏楽会
17、《ままの川》 福田栄香(公式サイト◆)
18、《双調の曲》 宮下秀冽
19、《桜川》 野坂操壽(公式サイト◆)
20、《吾妻獅子》 米川文子
21、《松上の鶴》 楽鳳会
22、《琴古流本曲 三谷菅垣》 川瀬順輔(公式サイト◆)
23、《深山の朝》 箏曙会
24、《六玉川》 山勢松韻(山勢松韻演奏会公演レポート◆)
25、《みのり》 絃愛会
26、《都の春》 鳥居名美野・山登松和
27、《若菜》 藤井泰和(公式サイト◆)
28、《春の曲》 今井慶風会
29、《ままの川》 米川敏子
30、《琴古流本曲 目黒獅子》  竹盟社(公式サイト◆)
31、《千箱の玉章》 藤井千代賀
32、《桜川》 東雲会・富士美会
33、《葉山八景》 山木千賀
34、《箏と合唱による楽しい曲集》 古屋富蔵
35、《箏十七絃三重奏曲「煌」》 宮下伸
36、《都山流本曲 春風》 公益社団法人 日本尺八連盟
37、《大海原》 松声会
38、《春の夜》 講習会参加者
5月12日は、東京文化会館のオケピットもステージに。純邦楽演奏家が、せり上がってきて!?演奏します。
是非、お出かけください!

(制作担当:うなぎ)