じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

桂三四郎さん・三輝さん落語会

英語落語って聴いたことありますか?先日、4月24日に新宿三丁目駅徒歩2分、RYU'S BAR「道楽亭」の落語イベントにて、英語落語1席、日本語落語3席をたのしく聴く機会にめぐまれました。

会場はこんな感じです。少々窮屈なのもご愛嬌。演者とお客が近いのもよいものです。

この「道楽亭」、前にご紹介した初台寄席と同様、普段はお酒を飲むところです。そして、落語インベントを頻繁に開催されています。(道楽亭HPイベント情報はこちら桂三四郎さんと桂三輝さんのお二人の落語会。桂三輝の三輝、は「サンシャイン」と読みます。カナダから13年前に日本に渡り、ワーキングホリデーで6か月滞在のつもりだったのが、日本の伝統文化に開眼。そのまま桂三枝師匠に弟子入りしてしまったそうです。その時の御年38歳。すごい行動力です。

更に驚くことに、三輝さんは大方の日本人よりも日本らしい生活をされています。吉本興業が「あなたの街に住みますプロジェクト」というものを行っておりまして、芸人さんを日本各地に住まわせ地域貢献型の芸能活動を推進しているそうですが・・・。そのプロジェクトにより三輝さん今、伊勢市にお暮しです。伊勢といえば、多くの方が思い出すのが伊勢神宮。日本人の総氏神、という言い方をされることもありますよね。冬も夏も(どんなに暑かろうとも)着物の生活。しかも、古民家にお住まい。なんとお友達と意気投合して、自宅に寄席を作ってしまったとか!ここまで来ると、三輝さんの運命だったのだろうな、と思わざるを得ません。三輝さんのブログもご参照あれ

さて、演目です。

「動物園」言語:英語 桂三四郎さん
「生まれ変わり」言語:日本語 桂三輝さん
−中入り−
「誰がファースト?」言語:日本語 桂三輝さん
「青菜」言語:日本語 桂三四郎さん

英語落語は三輝さんじゃないの?と言われそうですね。三四郎さんが演じられました。彼はアメリカ・ハリウッドの映画祭で英語落語(おそらく今回と同じ演目)を披露した経験をお持ちです。動物園、はもともとイギリス人作家の原作ですので、ワールドワイドに落ちが通じやすいのかもしれません。わたし個人的には三四郎さんの青菜、がとても良かったです。古典なんですが、まるで目の前に視覚的に情景が浮かび上がるような、面白さ。笑いました。

誰がファースト、はアメリカのコメディアン、アボット・アンド・コステロの「Who's on First」を三輝さんが落語にアレンジしたように見受けられました。こちらも、節や流れがテンポよく、とても良い噺でした。三輝さん、カナダご出身とあって、日本人になかなか無い素晴らしいホスピタリティーとフレンドリーさをお持ちです。お客さんから愛される方です。お客さんのお見送りでも、とびきりの笑顔でまめに声をかけてくださいます。そうして、心がすっかり温まって道楽亭をあとにしました。

(弘)