昨年5月9日、尺八奏者に現代を代表する名手三橋貴風さんを迎えたCDシリーズ第一集『「春の海」後藤すみ子 宮城道雄作品集(1)』(写真)を刊行。
10月24日の第二集には、尺八奏者に琴古流の徳丸十盟さんを迎えて『「秋の調」後藤すみ子 宮城道雄作品集(2)』(写真)を発表した後藤先生が、
本年3月20日、シリーズ3部作の完結編となる『「数え唄変奏曲」後藤すみ子 宮城道雄作品集(3)』を、尺八奏者に善養寺惠介さん、チェロにマリオ・ブルネロさんを迎えて刊行しました。
収録曲は「数え唄変奏曲」、「春の海」、「水三題」、「ロンドンの夜の雨」、「衛兵の交替」、「泉」と「せきれい」、「さらし風手事」です。
特にチェロとの「春の海」は、フランスの生んだ世界的チェリスト、モーリス・ジャンドロンの日本ツアーの折に、後藤先生が日本各地で「春の海」を演奏されたご経験を踏まえ、人の声の音域に近いチェロとの共演を強く望まれたことが契機となって、私がかつて担当し親交を結んできたマリオ・ブルネロとの録音が実現しました。
CDのライナーノーツに、谷垣内和子さんは次のように書いてくださいました。 「(前略)〜後藤さんは、最初に一回通して合奏した後に、自分なりの曲に対するイメージを言葉で伝えた。すると、二度目には信じられないほど思い通りの音の世界が立ち現れたのだそうだ。豊かな情感に溢れたチェロの響きに箏が自在に飛翔するような感じだったという。「最初の一音から全く世界が違った。今回の共演で演奏家としての自分が変わった!」。今までに幾度となく弾いてきた「春の海」とは全く違う何か…。チェロとの演奏を通して魂が共振するような不思議な感覚だったそうだ。その時の感動を、いま私たちは、このディスクで追体験することになる〜(後略)」
また、カステルフランコでの録音前日にマリオの音楽活動の場として優れた演奏家が出演している「ANTIRUGGINE」で行われた後藤すみ子先師のコンサートが、次のサイトで紹介されています。http://www.antiruggine.eu/il-suono-zen-del-giappone/
「ANTIRUGGINE」が設立された2011年から今年にかけて、マリオが取り組んできた充実したプログラムも是非ご覧下さい。
(理事長 藤本)