じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第二回中島勝祐創作賞

先日の記事で、今年度の日本伝統文化振興財団賞の受賞者、豊竹呂勢大夫さんをご紹介しましたが(→◆)、当財団にはもう一つの顕彰事業として昨年創設された「中島勝祐創作賞」があります。
今年の「第二回中島勝祐創作賞」は、12件の応募作品のなかから、高橋翠秋(たかはし すいしゅう)さん作曲の「櫻姫(さくらひめ)」に決定いたしました。

中島勝祐創作賞の詳細と高橋翠秋さんのプロフィールについては、当財団のホームページをご覧ください。→http://www.japo-net.or.jp/nakajima/
高橋翠秋さんは生田流箏曲演奏家ですが、とくに胡弓の演奏で評価が高く、2010年には「高橋翠秋 胡弓の栞」の公演に対し文化庁芸術祭優秀賞が贈られています。歌舞伎公演の伴奏音楽でも活躍されています。また作曲も手がけられ、舞踊曲から胡弓の練習曲まで数多くの作品があります。
受賞作品の「櫻姫」(かずはじめ作詞)は、「学校で上演できる作品をと、アンデルセンの童話『人魚姫』のお話を桜の精のお話に移したもの」とのこと。
この作品は2013年7月4日に東京・紀尾井ホールで開かれる「日本伝統文化振興財団賞」「中島勝祐創作賞」贈呈式・記念演奏会で披露されます。当日は、高橋翠秋さん自身の箏と胡弓に、長唄の唄方、十七弦、お囃子も加わって、ドラマティックな作品をお聴きいただくことができます。
記念演奏会の入場申し込み方法は、追って当財団のホームページで公開します。いましばらくお待ちください。
【6月11日追記】詳細を公開しましたので、ホームページのこちらをご覧ください。→公演情報:「第十七回日本伝統文化振興財団賞」「第二回中島勝祐創作賞」贈呈式・記念演奏会【日本伝統文化振興財団 じゃぽ音っと】
昨年の第一回中島勝祐創作賞は清元紫葉さんの「山姥—夕月浮世語—」が受賞しました。記念演奏会でこの曲を聞いた方から舞踊の会で使いたいというオファーがあり、その後実現したそうです。中島勝祐氏は生前、邦楽の新作が生まれても再演されずに埋もれてしまうことが多いと憂えていらしたそうですが、この賞によって作品が広く知られ、演奏の機会が増えることを喜んでくださることと思います。
中島勝祐創作賞は副賞として、受賞作品を収録したCDを制作・発売します。昨年のCDはこちらです。
中島勝祐 創作賞 〈第一回〉「山姥 —夕月浮世語—」

今年も受賞を期に、「櫻姫」が多くの方々の耳に届くことを願っています。

(Y)