じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

心の唄・ふるさとの唄〜ビクター民謡の祭典〜

去る6月9日(日)、杜の都仙台・電力ホールに於いて〔東日本大震災復興支援チャリティー 心の唄・ふるさとの唄〜ビクター民謡の祭典〜〕が開かれました。この公演は、ビクター専属歌手として多年にわたり第一線で民謡の発展と後継者の育成にご尽力されている荒昇吾さんが会主をつとめる荒民謡教室の第36回発表会と共に、東日本大震災で被災された多くの方々への更なる支援と被災地の復興を願って開催されました。
[:W300] 荒昇吾さん
[:W300] オープニング
今回出演したのは、福島県の相馬から駆けつけた鈴木正夫さんの他、藤みち子さん、須藤圭子さん、曽我了子さん、相原ひろ子さん、武花千草さん、おもだか秋子さん。民謡界・舞踊界で活躍しているビクターの歌手がそれぞれの思いを胸に、復興を願いながら一曲一曲を大事に唄いました。

はじめの〔この人この唄〕のコーナーでは、ご挨拶として出演者それぞれの十八番と言える全国の美しい民謡を披露。楽しいおしゃべりもプラスされてたくさんの笑顔と共に開幕しました。写真は相馬草刈唄を歌う鈴木正夫さん。いつも会場の雰囲気を盛り上げてくださいます。
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次の〔頑張れ!東北〕のコーナーでは津軽三味線の競演として、いつも優しい笑顔の澤田勝仁さん(写真真ん中)、荒昇吾先生のご子息の澤田勝正さん(左)、そして澤田勝女という名前を持つビクターのおもだか秋子さん(右)による澤田流実力派3名での力強い津軽じょんから節の演奏を楽しみました。
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その後続けて、おもだか秋子さんによる「津軽三下り」の弾き唄い、武花千草さんの「南部牛追い唄」、曽我了子さんの「沢内さんさ踊り」、地元仙台出身の須藤圭子さんは「津軽あいや節」を、藤みち子さんは「南部よしゃれ節」、鈴木正夫さんは代表曲「新相馬節」をご披露下さり、あたたかくて力強い東北民謡をじっくりと味わうことができました。荒昇吾さんは大太鼓をたたきながらの「南部盆唄」で迫力ある唄声を聴かせてくれました。

そして後半、歌と踊りの饗宴と題して、地元の舞踊界を盛り上げる社中の皆様の踊りを添えて、華やかな舞台が繰り広げられました。鈴木正夫さんの大ヒット曲「涙のお立ち酒」には、曲に合わせて白無垢姿の花嫁さんまで現れて盛り上げてくれた西崎流社中、仙台出身の須藤圭子さんが歌う「よさこいソーラン夫婦花」には松扇流社中、舞踊歌謡界で一番の人気を誇る相原ひろ子さんの「萬代(よろずよ)の舞」には松島流社中、同じく相原ひろ子さんの「花桜(さくら)」には芙蓉流社中、美しい声が魅力の藤みち子さんが歌う「やすらいの花」には旺扇流社中、そして荒昇吾さんの大ヒット曲「あゝ笛吹峠」では泉民謡舞踊愛好会社中の皆様による息の合った踊りをご披露下さいました。歌と踊りはそれぞれをひきたて、倍の美しさを放ちます。とても華やかなコーナーでした。

フィナーレでは、昨年発表した「夢色音頭」を会場のみなさんと一緒に元気に唄いました。夢や希望をテーマに作ったこの曲は、まさしくこの民謡の祭典のフィナーレを飾る曲としてぴったりでした。出演してくださった地元のみなさんが舞台上と会場の通路で踊って下さり、華やかに和やかに終演を迎えました。
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あっという間の2時間半でしたが、荒昇吾先生のそのあたたかいお人柄と復興に寄せる熱意が多くの人に伝わり、会場内は出演したビクターの歌手も御来場者も一緒に、終始和やかな雰囲気の中で共に復興を強く願う貴重な時間となりました。

このような心のこもったあたたかい公演を開催してくださいました荒昇吾さん、並びに会員の皆様に改めて感謝申し上げます。

(K)