じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

七夕のおまつり

7月7日日曜日は七夕、この日、明治神宮の七夕まつりこども大会にいきました。知らなかったのですが、明治神宮には子ども会があります。この子ども会では、季節の行事を企画していて、ひな祭り、こどもの日などにこども大会を、他に夏のキャンプや、書道教室などを催しています。

この日は七夕とあって、本殿前に集まった子どもたちが、設置された机の上で短冊を書き、次々に大きな笹に結び付けています。巫女さんもあちこちで、子供たちの活動をサポートすべく立ち働かれていて、日本らしい、神宮らしい光景が見られました。

明治天皇昭憲皇太后をお祀りするとあって、市場経済にのみこまれず豊かな自然を保っている明治神宮ですが、どんな理由であれ、これ程の静かな森が都心部に鎮座するのはすばらしいことだと思います。子ども会も、その目的の一つを、自然を通して子どもたちの情操をはぐくむとしているようです。

最近は、どうしても都心部ではマンションが増えたり、地域の活動を担っていた町内会の活動も少なくなったりして、子ども会で年中行事を経験していた子供たちが減ってきています。私なりの解釈ではありますが、明治神宮の方々は、こども達が日本の伝統行事に参加することで文化の継承を進めていきたいと考えられたのではないでしょうか。

この七夕祭り、前半が祭礼中心、後半がこども向けのお楽しみでした。まず初めに子どもたちが短冊を書いて、笹に吊るし、その笹を本殿へ。次に子供およびその保護者全員で本殿へお参りに行きます。本殿では、男女児の誓いの言葉(わたしたちは、強く清い心の子供になります、といったもの)が述べられ、祝詞の奏上、榊のお供えが続きます。直径2メートル半ほどあるかと思われる、信じられないくらい大きな大太鼓が合間合間にドオーンとならされる、特別に厳かな時間です。

さて下の写真ですが、いったい何の写真だと思われますか?本殿でのお参りが終わった後、境内にあるホールで子供のお楽しみ会がプログラムされていました。大きな本での読み聞かせやゲームなど。

繰り返し来る子供が多いようで、その理由が少しわかりました。神道に則った進行ながらも、こどもの視点で楽しめる会を企画していることです。だから嫌がらずに子供が通うようです。そんなところ上るとバチが当たるよ!と母親に怒られる子供を見かけましたが...通ううちに、神社での振る舞いも覚えることでしょう。祭礼に使われる楽器や装束に慣れ親しむことでしょう。年中行事の背景に関心を持つ子もいるはず。そうして、この神宮での活動が、日本の心を育てる苗床となったら素敵ですね。

(弘)