じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

Our boom 写真展「昭和」

ここしばらくマイブームとなっているいくつかの出来事。
まったく私事なのですが、ちょっと嬉しくもあり、また話題性?もあり、本ブログで紹介させて頂きます。
マイブームは正確にはMy boomではなく、Our boom。
私と姉弟5人のブームなのです。
写真は、来月の10月2日から7日までの6日間、東京日本橋三越百貨店で開催される写真展のパンフレット。
昭和を代表する写真家のひとり、林忠彦さんがモノクロ写真に捉えた、たくさんのアーカイブから選りすぐった作品が展示されます。
林さんは、太宰治織田作之助など文学者の生の姿に迫る写真で知られますが、一方、第二次大戦後の荒廃した街の風景や、復興期の風俗など、多岐にわたる作品を残しています。
銀座のバー「ルパン」の奥、スツールの上で胡坐をかいた太宰治の写真をご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
[:W320]
それで何が「ブーム」かというと、この写真の中央で腕を組んでいるアベック?
この二人、私の両親なのです。
撮影年の昭和25年は私が生まれた年で、奥に見える「銀座の柳」が芽吹いている様子から、たぶん撮影は3月〜5月ごろ。
よくよく考え、計算してみると、この写真には8月生まれの私もどこかに・・。
父は46年前、母も7年前に亡くなり、姉兄弟とも写真の存在を知っていたのですが、撮影の経緯など何も尋ねないままになりました。
林さんのご子息で、写真家として大活躍中の林義勝さんに伺うと、この写真は偶然のシャッターチャンスで撮られたものではなく、ちゃんと設定されているようです。けれども、母から聞かされていたのは、父が林忠彦さんを存じ上げていたことだけでした。
それにしても幸せそうなふたり。
それが、Our boom。
ひとつ目の嬉しいことです。

ふたつ目は、2020年に東京でのオリンピック開催が決まったILO総会で、「TOKYO」と会長が発表する直前に会場で流されていた音楽。
それは「オリンピック讃歌」のメロディーでした。
東京の港区立青山中学校の教室の窓から見えた、国立競技場の聖火台。
あの日、1964年10月10日の開会式で歌われた「オリンピック讃歌」の詞は父の作品でした。
東京への誘致成功とかレスリングの復活など、全国の皆様のお喜びとは少し離れ、子供等5名、次回もあの歌詞でぜひ歌って欲しいなあ、とささやかに喜びながら祈っています。

もうひとつは、父の作品を集めたコンサート。
テレビ朝日題名のない音楽会」プロデューサーとして辣腕を振われた牛山剛さんが企画制作し、本年12月14日東京津田ホール、来年2月23日には父の郷里徳島で、2回にわたって開催されることになりました。
小林秀雄先生作曲の「落葉松」が歌曲として初演された、波の会主催「追悼音楽会」以来の父の作品コンサートとなります。
写真展、コンサートはもうすぐですが、7年後の東京オリンピックは元気でいられるかなあ!

(理事長 藤本)

写真展「昭和」 写真家が捉えた時代の一瞬
開催日:2013.10/2 - 2013.10/7
開催地:日本橋三越本店
フォトグラファー:木村伊兵衛入江泰吉土門拳 / 浅野喜市 / 濱谷浩 / 緑川洋一 / 林忠彦 / 薗部澄 / 芳賀日出男長野重一田沼武能 / 熊切圭介