じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

邦楽地域活性化事業 in 徳島

財団法人地域創造の邦楽地域活性化事業で徳島に行ってきました。この事業は、若い邦楽演奏家による地域の学校でのアウトリーチ、地域のホールでのプログラム(ワークショップなど)、そして集大成として総括公演を開くという流れで展開されます(→中学校の音楽室で(アウトリーチとは) - じゃぽブログ)。
今年度は徳島県で開かれ、アウトリーチのための手法開発研修会に参加してきました。3チーム計9人の演奏家にくわえ、コーディネーター、スタッフが4日間にわたる合宿状態での研修です。
1日目の午後からチームごとの研修がはじまり、2日目の午後にはアウトリーチのプログラムの中間発表。3日目はすべての参加者の前でランスルー(本番と同じように行う通し稽古)となりますが、プログラムの構成やテーマに関わることから、表情、目線、立ち位置、言葉づかいにいたるまでさまざまな指摘を受け、試行錯誤を重ねてプログラムができあがっていきます。

写真は箏の日吉章吾さんをリーダーとするチームのランスルー(左から日吉さん、光原大樹さん、田嶋謙一さん)。
そして研修最終日は徳島市内の小学校で4年生〜6年生を対象にアウトリーチを行いました。日吉さんチームは紋付き袴で登場です。


あとの2チームのリーダーは、偶然にも当財団の邦楽技能者オーディションの合格者、横山佳世子さんと岡村慎太郎さんでした。

左から平田紀子さん、横山さん、鎌田美穂子さん

左から山形光さん、岡村さん、黒田静鏡さん
三チーム三様、個性あふれるアウトリーチができあがりました。子供たちに邦楽のよい演奏を聞かせるのが目的ではありますが、うまく受け取ってもらえるよう、楽器や曲の説明をしたり、演奏する気持ちを伝えたりという準備が、演奏家たちにとってはいちばんの難題のようでした。それでも実際に子供たちを前にすると、演奏家の皆さんの本番力というのでしょうか、底力がみごとに発揮されて、会場となった図書室の後ろで参観していてちょっと胸が熱くなりました。
短い時間ですが、子供たちが箏にふれる邦楽器体験もありました。

子供たちにとっても演奏家にとっても特別な一日になったのではないでしょうか。
すべてが無事に終了して学校を出ると、前庭の古風な二宮金次郎像に目がとまり、ほっと頬がゆるみました。

来月から11月初めにかけて、徳島県内の海陽町小松島市吉野川市の小中学校でアウトリーチが行われ、12月1日(日)、徳島市のあわぎんホールでガラコンサート(総括公演)が開かれます。こちらも若手演奏家の熱気あふれるコンサートになる予感です。詳細が決まったらまたご案内します。
昨年度の様子→邦楽アウトリーチ「日本語をうたう」 - じゃぽブログ

(Y)