じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「次大夫堀公園」に行ってきました!

以前ブログで紹介しました、東京・世田谷にある「岡本民家園」。江戸時代後期の典型的な農家の屋敷環境を再現している場所で、世田谷区の有形文化財第1号に指定された旧長崎家住宅主屋と、土蔵1棟、椀木(うでぎ)門を移築・復元しています。また、この場所の近くには、本物の水田をつくり、そこに江戸時代後期の古民家と土蔵、納屋、消防小屋などを移築復元した、「次大夫堀公園(じだゆうぼりこうえん)」という場所も存在します。というわけで、昨日、東京・世田谷喜多見にある「次大夫堀公園」に行ってきました。3連休の初日で道路は大渋滞、天候はあいにくの小雨の状況でしたが、昔の原風景が拡がる一帯を満喫してまいりました。
世田谷の農村風景の典型的なイメージと昔ながらの小川を復元したのが次大夫堀公園。公園名は小泉次大夫が昔この地域の用水を確保するために作った堀の名にちなんでつけられた、とのことです。面積は約36,000平方メートル。
ここが正門。
正門を入ってすぐの建物が、旧谷岡家表門。
旧谷岡家表門
石臼
長屋門形式をもつ木造寄棟造り茅葺きの建物。天保 9年(1838年)に再建されたもので、元々納屋と穀倉別棟であったものを、この年に門をつけて長屋門としたもの。納屋を土間のドジ、穀倉を板床張りのクラと呼び、ドジには農具や大工道具を、クラには米などの穀物を入れて保管していた、ということです。
園内を進むと、そこには「旧城田家主屋」。
旧城田家主屋
江戸時代後期に建てられた店づくりの農家。今は、売店コーナーとお茶のサービスがあります。
右奥に進むと、旧安藤家主屋。
旧安藤家主屋
江戸時代後期に建てられた名主屋。建築当初の姿が不明なことから、明治期の姿に復元している、とのこと。写真では小さくて見づらいですが、主屋内では機織りの方の姿。そして、同じ敷地内にあるのが、旧秋山家土蔵。
旧秋山家土蔵
江戸時代後期の文政年間(1818〜1830年)頃に建てられた米や麦などの穀類を貯蔵する倉。
そして園内左奥には、旧加藤家主屋。
旧加藤家主屋
江戸時代後期の弘化・嘉永年間(1844〜1854年)頃に建てられた世田谷の一般的な農家。加藤家は農家として喜多見で田畑を耕し、養蚕も行っていたということです。隣には、畑もありました。
大根かな。。。
ここ次太夫堀公園は、650メートルの水路を有し、その水路に沿って、当時の古民家や水田が配置されている形です。
水路と水田
水路や池には、コイ・メダカ・アメンボもたくさん生息。また水田では、毎年稲作が行われ、近所の保育園や小学生達による田植えや稲刈りが農協の協力のもと行われている、とのことです。
カモが我が物顔でスイスイ〜
この日は、園内で絵を描く年配の方々のグループがいたり、糸を紡いだり、鍛冶や藍染め、木挽きなどのボランティアさんたちも活動していて、とにかく癒し感覚満載でした。園内ではイベントも数多くあり、興味ある方、ぜひ足を運んでみてください!
というわけで、今回のブログはここまで。
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(よっしゃん)