12月1日、徳島市のあわぎんホールで邦楽コンサート「『わ』の音色でおもてなし」がありました。財団法人地域創造の平成25年度邦楽地域活性化事業の締めくくりとして開かれたコンサートです。思えばこの事業のキックオフとなった全体研修会は、猛暑の8月でした。9月の手法開発研修会、10〜11月の地域交流プログラム(アウトリーチ、ワークショップ)を経て、すっかり季節は移ろい、木々も色づいて初冬となりました。
徳島県内の3つの地域でアウトリーチとワークショップを行ってきた3チームが一堂に会してのコンサート、1チーム3人でそれぞれ約25分の持ち時間ですが、古典から現代曲まで多彩なプログラムでした。
邦楽コンサート プログラム
第1部
1.瀬音(宮城道雄 作曲)
箏 日吉章吾 十七弦 光原大樹
2.詩曲一番(松村禎三 作曲)
箏 日吉章吾 尺八 田嶋謙一
3.尾上の松(作者不詳 宮城道雄箏手付 初代青木鈴慕尺八手付)
三弦 岡村慎太郎 箏 山形光 尺八 黒田静鏡
第2部
4,El salvador(池上慎吾 作曲)
箏 日吉章吾 十七弦 光原大樹 尺八 田嶋謙一
5.讃歌(沢井忠夫 作曲)
箏 横山佳世子
6.音、きらゝ(沢井忠夫 作曲)
箏 平田紀子 鎌田美穂子 十七弦 横山佳世子
7.HOME(アンジェラ・アキ 作曲 増田篤志 編曲)
ハナノユメ(チャットモンチー 橋本絵莉子 作曲 増田篤志 編曲)
1箏 横山佳世子 平田紀子 山形光
2箏 日吉章吾 鎌田美穂子
十七弦 光原大樹
三弦 岡村慎太郎
尺八 田嶋謙一 黒田静鏡
第1部は金屏風に緋毛氈の伝統的な邦楽のスタイル、第2部は曲にあわせて演出や照明も変化があり、演奏もそれぞれよかったのですが、観ても楽しい邦楽コンサートとなりました。
「尾上の松」
「El salvador」
「音、きらゝ」
そして最後は出演者全員による合同合奏曲。この日のために徳島出身のアーティスト、アンジェラ・アキとチャットモンチーの曲を邦楽器にアレンジした新作が初演されました。編曲は徳島在住の作曲家増田篤志さんです。演奏家の皆さんも歌あり振りあり、笑顔で約半年にわたるロードのフィナーレを飾りました。
「ハナノユメ」
合同演奏曲は、コンサート後も邦楽愛好家の皆さんに演奏してもらいたいと願って作られましたが、当日聴きにきていた邦楽クラブの高校生から、さっそく弾いてみたいとリクエストがあったそうです。
さまざまな場面で、徳島は邦楽が盛んなところという印象を受けました。なんといっても阿波おどりがあるので、子どもたちにも三味線は身近な楽器のようです。
邦楽地域活性化事業の主体となったあわぎんホールでは「徳島邦楽ルネッサンス」という3回シリーズの公演を企画しています。
1回目は12月21日(土)「三木稔追悼公演〜現代邦楽の幕開け〜」です。2011年12月に亡くなられた三木稔さんは現代邦楽の幕開けを牽引したといわれる方ですが、徳島出身ということで、やはり行き先々で話題にのぼりました。
アウトリーチで訪ねた吉野川市立鴨島小学校は、校歌の作曲者が三木稔さんでした。地元で小学生も参加して三木さんの曲のコンサートがあったとき、ご本人がこの小学校を訪問するというサプライズがあったそうです。
吉野川市のワークショップでは三木さんの小曲集から「かりかりわたれ」(フライング)を教材にしました。生徒たちのパートは素朴なわらべうたのメロディーでやさしいのですが、先生のパートが加わるとすてきな合奏に仕上がりました。参加者も三木さんの名前を知っていて、親しみをもってくれたようです。
この追悼公演、パンフレットにはつぎのようにあります。
日本を代表する邦楽界のソリストや、日本音楽集団・オーラJ・オーケストラアジアの有志が三木稔の故郷に集結。
国内外で演奏活動する邦楽界のスペシャリストによる垣根を越えた演奏は、三木の晩年の夢であった。
徳島どころか実は四国の地を踏むのもこの8月が初めてだったのですが、あわせて4回通ううち、すっかり親しい街になりました。この公演を聴きに、もう一度徳島に行きたい気分です。
(Y)
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