あと二週間ほどで2013年、平成25年が終わり、新年を迎えることになりますね。私が思い出す新年の行事のひとつは、宮中での歌会始(うたかいはじめ)の儀。本日公開したじゃぽマガジンの記事、聴き比べてみよう!「春の海」のなか、「春の海」の説明に歌会始が出てきます。
日本の箏演奏家・作曲家として一世を風靡した宮城道雄(みやぎ みちお、1894年4月7日−1956年6月25日)の代表作として知られる箏と尺八の二重奏曲で、1930年の歌会始の勅題「海辺の巌」に因み1929年に作曲されました。
“1930年の歌会始の勅題「海辺の巌」に因み”とあります。ということで、2014年、平成26年歌会始のお題は何だろう?と思い、宮内庁のホームページを拝見。
平成26年歌会始のお題(平成25年1月16日)
「静」と定められました。
お題は「静(せい)」ですが、歌に詠む場合は「静」の文字が詠み込まれていればよく、「静謐(せいひつ)」、「動静(どうせい)」のような熟語にしても、また、「静(しづか)」、「静(しづまる)」のように訓読しても差し支えありません。
「平成26年の歌会始の詠進は、9月30日(当日消印有効)をもって締め切らせていただきました」ということで、さらに次の年のお題が近々の来年1月なかばに発表されることでしょう。ということで、いま図書館で借りて読み始めた本をご紹介します。
「和歌を歌う―歌会始と和歌披講(CDブック)」(財団法人日本文化財団編、披講会協力/笠間書院 2005年発行)
この本のカバーにあった紹介文から一部引用させてください。
和歌を歌う
日本の歌が生まれた太古の昔から、歌は声に出して歌われるものであった。声に出すことによって、歌は言葉の意味内容を超えた力をもち、その力によって、人の心を動かしたのである。しかし、現在の和歌は、歌としての力を失っている。
「宮中歌会始」は、和歌を歌う恒例行事として、数百年の歴史をもつ。歌会始で和歌を歌い上げる「披講会」は、その伝統を現在に至るまで連綿と伝えている。
本書は、披講会の協力のもと、歌会始に関する貴重な記録と、和歌の披講についての最新の研究を、はじめて集成したものである。
さらにこの本はCD付きで「君が代」や春の歌七首などの歌を音として収録。文字だけでなく耳から和歌が体感できるよう工夫されているんですね。「君が代」はスポーツの開会式などで、英語風の発音で歌われることも多いですが、もともとの和歌の歌い方があるのだなとあらためて感じます。
こちらの販売サイトでも大好評の本ですので、機会がありましたらぜひご一読ください。
(じゃぽマガジン編集 Tas)