同作品が12月18日に発売されました。おかげさまで多方面からご好評をいただいております。今回はDisc 2(1981年)の指揮者「ズデニェク・コシュラー」氏のプロフィールをご紹介をさせていただきます。
ズデニェク・コシュラー(Zdeněk Košler, 1928-1995)
チェコのプラハ生まれ。プラハのカレル大学で音楽美学と哲学を専攻。その後、アンチェルに指揮を学び、さらにプラハ音楽院でピアノ、作曲、指揮を学んだ。1951年にプラハ国立歌劇場とプラハ交響楽団でデビューを果たし、56年にブザンソン指揮者コンクールで第1位となって注目を集めた。その後、58年から62年までオロモウツ歌劇場、62年から66年までオストラヴァ歌劇場で指揮者を務めている。63年にはミトロプーロス指揮者コンクールで第1位となり、63年から64年にかけて、ニューヨーク・フィルのバーンスタインのもとでアシスタントとして活動した。その後、65年にウィーン国立歌劇場で《サロメ》を指揮し、66年から67年にはプラハ交響楽団首席指揮者を、66年から2年間、フェルゼンシュタインに招かれてベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽監督を務めるなど、コンサートとオペラの両面でヨーロッパを代表する指揮者としての地位を築いた。1971年から76年までブラティスラヴァ国立歌劇場の音楽監督、80年から85年、また89年以降の二度、プラハ国民劇場の音楽監督、さらにチェコ・フィルの常任指揮者としても活動し、93年にはチェコ・ナショナル交響楽団創設時に初代常任指揮者に就任するなど、チェコ音楽界の顔として知られた。したがって、ベニャチコヴァー、ドヴォルスキーらを擁しチェコ・フィルを指揮した、スメタナ《売られた花嫁》の代表盤ともいうべき録画(1981)「プラハの春」音楽祭でのスメタナの8つのオペラの連続公演(1984)、スロヴァキア・フィルとのドヴォルジャーク交響曲・交響詩全集の録音(1991)など、チェコ音楽演奏での実績が目立つが、レパートリーは20世紀の作品も含めて非常に多彩である。コシュラーは、1968年に東京交響楽団の招きで初来日して以来、日本で非常に愛された指揮者である。日本のオーケストラにたびたび客演し、東京交響楽団と東京都交響楽団からは名誉指揮者の称号を贈られている。85年のプラハ国民劇場初来日公演では《ドン・ジョヴァンニ》と《売られた花嫁》を指揮するなど、チェコの音楽団体の日本公演でも、しばしば指揮を担当している。NHK交響楽団の定期公演には1981年に初登場。ドヴォルジャーク、ストラヴィンスキー、チェコの現代作品など、幅広いレパートリーを披露した。
(井上征剛)
じゃぽ音っと作品情報:NHK交響楽団 1980年代編 ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱」ニ短調 作品125('80-'82, '86-'89)(7枚組) / ラルフ・ワイケルト、ズデニュク・コシュラー、オットマール・スウィトナー、ベリスラフ・クロブチャール、フェルディナント・ライトナー、若杉弘
(Yuji)