じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「Fethno(フェスノ)」へ行ってきました

 先日当ブログで紹介がありました「Fethno[フェスノ]小泉文夫没後30年記念企画」へ行ってまいりました。私がおじゃましたのは12月22日(日)の第2日。詳しくは公式HPを→Fethno
この日はナビゲーターの華恵さん、アドバイザーのサラーム海上さんの司会進行。私はアイリッシュ・フルート&ティン・ホイッスルの豊田耕三さんをはじめとする4人のグループが出演中に入場したのですが、表参道のスパイラル地下にあるCAY(カイ)は客席後ろまですでに満員御礼状態。
続いてアフガニスタン音楽を専門に演奏する二人のユニットCHALPASAH(ちゃるぱーさ)。弦楽器のラバーブと歌・パーカッションの味わい深い世界で、ほとんどの観客がアフガニスタンの音楽を初めて聴いただろうと思いますが、とても大きな拍手になりました。
カラフト・アイヌの伝統弦楽器、トンコリの奏者OKIさんはメロディアスというよりもグルーヴを感じさせる音楽。ラストの曲は「石斧で木を切り倒すのは大変だ」という意味のアイヌ語が歌詞になっていたようです。何かに対する強いメッセージを感じさせる、心にひっかかるユニークなステージでした。
トリはインドの横笛バーンスリー奏者、寺原太郎さんをはじめ、タブラ、ガダム、パカーワジといったパーカッション奏者の面々が登場。喜びに満ち溢れ、心に染み入る素敵なインド音楽に、会場はすっかり酔いしれていました。
日本の伝統音楽、民謡から世界の民族音楽までを調査研究し、広く一般に紹介した小泉文夫さん。Fethnoの途中、映像による街頭インタビューを観ていると、小泉さんを「知らない」と答える方が多いのですよね。
クラシックやロック、ジャズなど西洋からの音楽を「洋楽」、日本の音楽を「邦楽」と区別して「洋邦どちらも聴きます」とするだけでは、多様に存在する世界中の音楽・芸能を考えるとあまりにもったいないと感じるのは、自分だけでしょうか。「心と耳は、世界にあった。」というこのFethnoのコピーが私は好きです。「世界」はきっと「日本」を含む私たちの地域から広い「世界」へつながり、地球上のさまざまな音楽や芸能に思いを馳せることができそうな、シンプルで素敵なコピーだと思いました。

(じゃぽマガジン編集 Tas)