じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

ショスタコーヴィチ<鼻>METライヴビューイング

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。
今年は午(馬)年ですね。馬面(うまづら)の長い鼻にちなんで昨年METライヴビューイングで観たショスタコーヴィチ<鼻>についてお話いたします。ちなみに余談ですが、馬の鼻は長いことによって、冷たい空気やホコリがダイレクト入って気管を傷めることがなく、「運動能力」を最大限発揮するためにはとても重要なのだ…というようなことがこちらのサイトに記載されていました→乗馬用品・日本馬事普及
さて、ショスタコーヴィチ<鼻>は以下の内容でした(松竹のMETライヴビューイング公式HPより抜粋)

指揮:パヴェル・スメルコフ 演出:ウィリアム・ケントリッジ
出演:パウロ・ジョット(コワリョフ)、アレキサンダー・ルイス(鼻)、アンドレイ・ポポフ(警察署長)
上映時間(予定):2時間15分(休憩なし)
MET上演日:2013年10月26日
言語:ロシア語

目が覚めたら「鼻」が消えていた!わがもの顔で街を歩き回る「鼻」は、持ち主のもとに戻るのか?奇想天外なゴーゴリの名作をオペラ化した、ショスタコーヴィチの野心作!パーカッションのみで演奏されるジャズ風の間奏曲、「鼻」の見物人が歌う混沌とした合唱など冒険的な音楽がオペラの常識を破る。世界的芸術家W・ケントリッジの映像を駆使したマジカルな演出は、一瞬も目が離せない。この役で絶賛を博すP・ジョットの主役にも注目。
ある朝、床屋のイワンはパンの中に「鼻」を見つける。それは、彼の客で役人のコワリョフの鼻だった。自宅で目覚めたコワリョフは、「鼻」のないことに気づき愕然とする。いつの間にか「鼻」は服を着て言葉を話し、人間として振る舞っていた。コワリョフは「鼻」を取り戻そうと、新聞に広告を出そうとしたり、警察に駆け込んだりするがらちが明かない。万策尽きた彼のもとに、警官が「鼻」を持って訪れた。驚喜するコワリョフだが・・・。

http://www.shochiku.co.jp/met/program/1314/index.html#program_02
簡単に言えば、手違いで床屋でそぎ落とされてしまった鼻が鼻の持ち主の意思とは関係なく人格や権力を持って一人歩きする話です。なんとも荒唐無稽ですが、作曲者が若い時の作品にも関わらず音楽が素晴らしく、斬新な演出もあいまって実に楽しめました。

(J)