じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「英国最高の風景画家」ターナー展


東京都美術館のほうは去年中に終わってしまいました(2013年10月8日〜12月18日の開催)が、現在、神戸市立博物館でターナー展が4月6日まで開かれています。東京展では入場者が10万人を超えたそうです。
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http://www.turner2013-14.jp/about/index2.html
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775〜1851)はロンドン中心部、コベント・ガーデンの理髪店を営む家に生まれました。幼い頃から画才を発揮、14歳でロイヤル・アカデミー(英国王立美術院)に入学、26歳のときには史上最年少でアカデミー正会員に選ばれ、パトロンにも恵まれて人気画家として成功していくことになります。コベント・ガーデンはこの映画の舞台になったところとのこと→映画 マイ・フェア・レディ - allcinema ターナーの生家があったところは今は人気のパブになっているそうです。
英国留学した明治の文豪、夏目漱石が愛した画家としても有名でその作品「坊ちゃん」の中にもターナーの名前は登場します。その他会場内には釣りが好きだったこととか、黄色が好き(好んで使用した色)でカレー・マニアとからかわれていたことなども説明されていました。
http://www.turner2013-14.jp/feature/index.html
上のページに「油彩画の名品30点以上に加え、水彩画、スケッチブックなど計約110点を展示」とあるように、繊細だが精密な、正確な描写による美しい箱庭のような水彩画やスケッチが多くありました。彼は本の挿絵も得意としていたようです。
油彩画はダイナミックで、43「イングランドリッチモンドヒル、プリンス・リージェント(摂政王太子)の誕生日に」や49「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ」、また51「チャイルド・ハロルドの巡礼---イタリア」は画の前に立っているとその場にいるかのような錯覚に陥る臨場感があり、暫し足を止めました。
そして50「レグルス」は瞬間を高速のシャッタースピードで切り取った写真のような鮮やかな超傑作。画面内の太陽光の眩しさが今も思い出されます。
*写真=朝日新聞2013年10月7日「ターナー 源流の情景」。一番下の写真は今も残る43の画の舞台。上の二枚はウォータールー橋。記事内容も参考にさせていただきました。文中の作品名は会場で配布の「出品作品リスト」より。

(J)

この曲が聴きたくなりました→YouTube
2010年グラストンベリーでのこちらも素敵→Ray Davies(Kinks) Waterloo Sunset Glastonbury 2010 - YouTube
この本を読んでみたいと思っています→2013-11-09