じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

弓で奏でる和の音色 杉浦聡 胡弓演奏会

胡弓という楽器を、目の前で現物を見たり、生演奏を聴いたりする機会は、そんなに多くはないかと思います。きょうは、まるごと全曲胡弓の演奏会をご紹介します!


杉浦聡 胡弓演奏会
[日時] 3月21日(金・祝) 14:30開場/15:00開演
[会場] 紀尾井小ホール
   JR線・東京メトロ丸の内線・東京メトロ南北線 四ツ谷駅 麹町口徒歩6分
   東京メトロ有楽町線 麹町駅 2番出口徒歩8分
   東京メトロ銀座線・東京メトロ丸の内線 赤坂見附駅 D出口徒歩8分
   東京メトロ半蔵門線東京メトロ有楽町線永田町駅 7番出口徒歩8分
   アクセスはこちらをご覧ください
[入場料] 一般=3,000円/25歳以下=1,000円 全席自由席
[チケットお求め方法]
   Fax.03-5275-7545あるいはメールnihonmusic.plala.or.jpに置き換えて)で、氏名枚数連絡先電話番号を明記して。メールは件名「胡弓演奏会チケット申込」としてください。
   紀尾井ホールチケットセンターTel.03-3237-0061でも扱っています(月〜土10:00〜18:00)。
[演目]
1.杉浦聡作詞・作曲 胡弓による邦楽落語  杵屋正邦師 平井澄子師の二恩師を偲んで
2.そもそも胡弓ってどういう楽器でしょう? 解説
3.上方で250年の歴史を持つ大阪系胡弓 極秘曲 鶴の巣籠 新作カデンツァ入り
4.江戸で300年の歴史を持つ四絃胡弓 藤枝流皷弓 岡安砧 藤枝流恩師 山田廣代を偲んで 特別出演=鈴木章代(箏)

杉浦聡(すぎうら・そう)さんは、幼少より数多くの邦楽と洋楽に触れて育ち、東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業。邦楽の様々なジャンルの名人に教えを受けて、十種類もの流派の名取教授となり、現在では、山田流箏曲地歌、河東節、小唄などの教授・演奏活動の他、数少ない正系の胡弓演奏家として活躍しています。
杉浦さんのCD「日本の胡弓 杉浦聡の世界」(S-TWO Corporation)の解説書によりますと、胡弓という楽器が、いつから日本で演奏されるようになったかは不明、ルーツについても、キリシタンがヨーロッパから持ち込んだヴァイオリン系の楽器が三味線の形を借りて生まれ変わったとする説と、中国の二胡系の楽器が渡来して日本化したとする説があり、定かでないとのこと。ミステリアスですね!
明治以降、虚無僧以外の人にも吹奏を許されるようになった尺八に取って代わられるまで、地歌箏曲の三曲合奏に欠かせなかった胡弓ですが、独奏曲は少ないそうで、杉浦さんは、胡弓独奏曲の作・編曲にも取り組んできました。
今回の演奏会は、上方の胡弓、江戸の胡弓、杉浦さんの新作、そして飄々としたお人柄が伝わってくる、ご本人による解説で、誰にでも親しめる、たっぷり胡弓を味わえるプログラムになっています。
春のお彼岸の日の昼下がり、弓で奏でる和の音色を堪能なさってみてはいかがでしょうか?


(YuriK)