じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「伝統芸能☆ミカタ計画」発表!

伝統芸能☆ミカタ計画」が発表されました!

東京文化発信プロジェクト「キッズ伝統芸能体験」に今年新設された中学生・高校生対象の特別コースです。
7年目に入った「キッズ伝統芸能体験」は、これまでに約1800人もの子どもたちが参加した和のお稽古プログラムです。

能、狂言長唄三味線、囃子、箏、尺八、日本舞踊などを約半年間学び、その成果を発表会で披露してきました。

これまでは小学生が中心でしたが、学校が忙しくて参加しにくかった中高生も体験できるようにと、お稽古を10回に凝縮し、発表会を目指す新しいプログラムが「伝統芸能☆ミカタ計画」です。
「ミカタ計画」というのは、「伝統の力を自分の力にしよう。自分の身体に取り入れて自分の味方にしよう」ということだそうです。詳しい内容や申込方法はこちらのサイトをご覧ください。→http://www.geidankyo.or.jp/kids-dento/?page_id=697
もちろん、従来の「キッズ伝統芸能体験」も募集中です。各プログラムはこちらから。→キッズ伝統芸能体験 | 日本芸能実演家団体協議会(芸団協) - キッズ伝統芸能体験 | 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)

「キッズ伝統芸能体験」の長唄のお稽古に当財団所有の三味線を貸し出していることから、昨年度もお稽古の見学に伺いました。発表会も近い時期で、小学校低学年の子どもたちがしっかりと三味線を弾き、お稽古用にアレンジした「娘道成寺」の一節を唄う姿に驚かされました。それまでの先生方のご苦労と子ども達のがんばりがうかがわれ、感動を覚えました。
「花のほかには松ばかり〜」と繰り返し唄った体験は、いつか歌舞伎などで「道成寺」に出会ったとき、きっとまた思い出して伝統芸能により親しみを感じるものと思います。「長唄が好き!もっと習いたい」とうれしそうに話してくれた女の子もいました。楽しみなことです。
伝統芸能☆ミカタ計画」はお稽古場が都内限定となりますが、身近に中学生、高校生がいましたら、ぜひぜひ教えてあげてください。伝統芸能との出会いは、きっと将来の世界を広げてくれるに違いないと思いますし、発表会での達成感は何ものにも代えがたいものとなるでしょう。
そして、伝統芸能ファンとして密かに期待しているのは、そのなかからプロを目指す中高生が出てきたらいいなということです。というのも、伝統芸能の世界では、子どもの頃から習っている人ばかりでなく、何らかのきっかけで学生時代に出会ってその道に進むことを決め、精進してプロになったという人も意外に多いのです。中高生のうちによい出会いがあれば、若い実演家がもっと増えるのでは・・・などとついつい想像をふくらませてしまうのでした。

(Y)