じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

山元錦城先生受章の宴

本年5月に藍綬褒章を受章された、詩吟朗詠錦城流宗家の山元錦城先生の祝賀の宴が都内で開催されました。
昨年度文化庁長官表彰のお祝いも併せての開催でした。

写真中央が山元錦城先生です。

このようにおめでたい会に例年何回か出席の機会をいただいておりますが、この度はひときわ胸に迫る思いを持って家路につきました。
山元先生は平成5年の発足以来、当財団の評議員をお勤め下さっています。また本年11月に第23回全国決勝大会を開催する「ビクター吟友会」でも長年にわたってご指導を頂いています。
その双方で、山元錦城先生のお人柄の素晴らしさに触れる機会を多く持って参りましたが、この度は、人生をかけて厳しく向き合って来られた芸道に対しての信念を知るエピソードに接することが出来ました。

吟詠界を代表する存在の母、初代山元錦城師の突然の急逝によって、山元錦城先生は44歳の時に全国に子弟を持つ錦城会の二代目を引き受けざるを得ないこととなります。
幼少の折から母の吟声を聞いて育ったとはいえ、進んだ道は吟道ではなく税理士だった錦城先生は、以来今日まで37年間にわたり吟道を深め研鑽することに邁進されて来られました。

次の写真は漢詩研究の泰斗、石川忠久先生から贈られた漢詩色紙です。
錦城先生は、石川先生を漢詩研究の師として交友を深めて来られました。お二人の長いご親交がこの漢詩に良く窺えます。

さて宴もたけなわとなり、次々と贈られる賛辞や花束に対して、いつもの錦城先生らしい丁重なご対応をされておられた時、サプライズでご子息が舞台に登場、祖母にあたる初代錦城師亡きあと、錦城先生が邁進された研鑽と努力の日々が様々に紹介されました。

次の写真は、錦城先生のお孫さん(左右は二人のご子息)によるエールです。
初めに「錦城会」に向けて、そして2度目はなんと、「フレー、フレー、おじいちゃん」!
会場がひときわ暖かく包まれたのは言うまでもありません。

当日の祝辞に立たれた最長老は相澤英之さん、95歳!
矍鑠とした、という言葉がまったくそぐわない若々しい声と立ち居振る舞いで、錦城先生はまだまだ10年以上は現役でないと、と励まされておられました。

本ブログには瀬畑至さん(ビクター吟友会総本部事務局長)の撮影写真を掲載させて頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。

(会長 藤本)