じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「虚無僧尺八〜伝承の軌跡  酒井松道」CD 12月3日発売になりました!!


明暗真法流63曲」「明暗対山派39曲」に続き、酒井松道が継承した尺八古典本曲の掉尾を飾る37曲!
森安如濤師や数多の師より直伝で継承した虚無僧尺八の神髄!
4年の歳月をかけ39曲すべてを新録音、前人未到の偉業を成し遂げた酒井松道渾身の吹奏!


布袋軒・蓮芳軒・喜善軒・龍源寺・林棲軒・松巌軒・普大寺・乙黒明暗寺・一朝軒・越後明暗寺所伝の古典本曲、明暗真法流・根笹派錦風流 ほかを収録。


今回の「虚無僧尺八」(VZCG-8555)は、真法流(VZCG-8489)、対山派(VZCG-8507)に続く三部作の完結編であると同時に、平成23(2011)年から3年の歳月をかけて録音・制作されたこれらの作品すべてが、前人未到の力作です。


酒井松道先生は、「伝えられた曲を残したい」というこのたったひとつの願い向かって、長年に亘って日々地道な鍛錬を積み重ね、数多の師から受けた教えに自らの思いを重ねるようにしてこれらの作品を制作されました。

全曲新録音で制作した演奏内容については言うまでもありません。
特筆に値するのは、充実した解説書です。山川直治先生は、概論では虚無僧尺八の歴史をわかりやすく述べ、曲目解説では曲調の解説にまでおよぎ実に丁寧に説明されています。酒井先生の自伝的な文章も、それぞれの師の姿を彷彿とさせる内容で、常に感謝の念をもって「人との出会い」を意識した生き方に、心安らぐ思いがします。
解説書は英文解説付きで、海外の愛好家にもお薦めです。

酒井松道先生は、これまで背負ってきた重荷をふっと置くようなほっとした思いと、三部作を完結させたという達成感を満喫されていると語っています。自然体で尺八と向き合い、尺八と共に生きる姿に、感動を覚えるのは私だけではないように思います。

(やちゃ坊)