じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

お水送り(毎年3月2日)

去年=2014年のじゃぽブログで少し触れていました「お水送り」が、今年も3月2日に行われました→若狭神宮寺(福井県小浜市) - じゃぽブログ
JR東小浜駅を背にして若狭神宮寺へ向かって30分強ほど歩きます。途中にはこんな幟がたくさん立っていました。

若狭神宮寺の手前にある森林の水PR館。この季節はまだまだ寒いので、寒風の中ずっと外にいて暖が取りたくなったらこちらの喫茶店で暖まるのが良いと思います→森林の水PR館 お水送りについての展示もあります。

重要文化財鎌倉時代建立と言われる仁王門。駅から歩いてきた道から右に少しずれるのですが、ここをくぐって数分歩き、若狭神宮寺に入るのが風情を感じさせるルートかなと思いました。この日は普段の拝観料、400円がかかりません。

午後1時過ぎ、弓打ち神事のための的がすでに準備されていました。

こちらも重要文化財である本堂の前に、だんだん人々が集まってきます。室町時代末期に再建されたそうです。

弓打ち神事。このかたは2本の矢、両方とも的に命中させました。続いて奉納弓射大会となり・・・

一般参列者にとっては夕方まで時間が空くことになります。その間に階段を降りて手松明の販売所を確認。1本1500円です。

テントの奥には野外用ストーブなどもあり外よりは暖かく、400円でうどんを食べることができます。

名物だという鵜の瀬まんじゅうを食べたり森林の水PR館で寒さをやり過ごして・・・

5時半頃には戻って手松明を購入し、準備に入ります。願主のところに自分の名前を書き、願分にはお願い事を書き込みます。テーブルの上には例文がたくさん用意されています。他に三面あるので、そこに家族知人などの名前を書いてもかまいません。

6時くらいには本堂の前に行って待ちます。だんだん暗くなってきて関係者の入場があり、修二会【薬師悔過法】(見学不可)が始まります。左側の柱にお水送り堂の青い文字が。

そして、修二会【達陀】。松明が本堂の外へ出てきます。まず左へ行って・・・

次に右へ。このあたりは奈良、東大寺の修二会におけるお松明にとてもよく似ています→お松明|修二会|年中行事|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ

そして神宮寺大護摩法要が始まります。

月が出ていた夜空が覆われて見えなくなるほどの煙が出たり、周囲の木に延焼するのではないかと思えるほど大量の火の粉が吹き上がったり、そしてもの凄い火の勢いに圧倒されます。

火がおさまったあと、境内横を流れる遠敷川沿いに1.8キロメートル上流の鵜之瀬へ向けて、法螺師と呼ばれる3人の山伏を先頭にして松明行列が出発。一般参列者にはこれが体験のハイライトとなりました。このシーンはあまり報道などもされないようですが(沿道では多くのカメラマンが撮影していましたがなぜでしょう)、3200人もの人が持つ松明の火の川が続く荘厳な光景は、忘れがたい記憶として残ります。

鵜之瀬に到着。水音が大きく聞こえてきます。

このあたりでは川幅が細く、かなりの急流となっているのです。白装束の方々の後ろ側に流れています。

その横での鵜之瀬大護摩。二列目にいたせいか暑さに耐えられないほどの火の勢いです。

そして・・・送水神事です。写真中央から少しななめ左上、白装束の人物にご注目下さい。10日後には東大寺に到着することでしょう。

そろそろ最後の立ち直会。全ての神事が終わります。階段を登って俯瞰できる位置に移動しました。

終了後は皆さんわりと早く引いていきます。無料の粕汁をいただいて最終のバス(有料:駐車場行きと小浜駅行きがある)に遅れないように乗車します。ありがとうございました。

(当日配布された若狭おばま観光協会のパンフレットを参考にさせていただきました。)

http://www.asahi.com/articles/ASH3224D4H32PGJB002.html
http://www.sankei.com/west/news/150302/wst1503020074-n1.html

(J)