じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

秋の演奏会から

9月に入って長雨がつづき、すっかり秋らしくなってきました。いよいよ演奏会シーズンですね。
当財団のホームページでは「公演情報」を掲載しています。財団主催公演とともに、後援するコンサートも紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。→ jtcf.jp – 公演 | 日本伝統文化振興財団の公演情報
近いところでは、9月12日(土)に「地歌三味線の響き〜江戸時代からの変遷」という公演が東京の紀尾井小ホールで開かれます。サブタイトルに「柳川、野川、九州系地歌三味線聴き比べ」とあって興味をひきます。

公演情報→ 地歌三味線の響き~江戸時代からの変遷 柳川、野川、九州系地歌三味線聴き比べ | jtcf.jp – 公演
どんな内容の演奏会なのか、少し長いですが「公演目的」を引用してみます。

京都・大阪を中心に発達してきた地歌で使われている三味線は、どのように変化してきたのか。今も京都に伝わる柳川流の三味線が江戸時代初期の特徴を残しているのに対し、大阪中心に伝わる野川流の三味線は大きく改良されて、現在主流の九州系地歌三味線といわれるものになりました。
先頃、かつての野川流で使われていた三味線を地歌箏曲演奏家・研究者で静岡大学・音楽教育講座准教授の長谷川慎氏が復原。そこでこれらの三味線を聴き比べ、その変遷を見つめます。各楽器の特徴と、野川流三味線復原に欠かせない皮の「水張り」のことなどを長谷川慎氏に聞き、三味線の形態・音質が変化してきた理由とその背景にあるものを探ります。
そのことによって、日本人の音の感性、音に対する柔軟性や音楽性の鋭さを見つめ直すとともに、地歌三味線の面白さを再認識してもらおうというものです。それぞれの三味線の味わいをご堪能ください。

三味線にはいろいろな種類があり、義太夫長唄、清元などジャンルによって大きさや音色が違うことはよく知られていますが、地歌三味線にもいろいろな種類があり、変遷をたどってきたことがわかります。
私たちがいまCDや演奏会で聴いている三味線の音色は、その曲が作られた当時のものとは違っているのかもしれません。どのような響きだったのでしょうか?
江戸時代から、各世代の演奏家が楽器の改良に取り組んできたようです。演奏家や聞く人の好み、また、演奏される場所(お座敷から劇場へ)の変化も関係がありそうです。興味はつきません。
演奏のプログラムも、地歌をじっくりと味わえる内容です。またとない機会をどうぞお聴き逃しなく。
聴き比べを体験したうえで、地歌の名曲を聴き直してみるのもいいかもしれませんね。

じゃぽ音っと作品情報:古典芸能ベストセレクション 名手・名曲・名演集「地歌」(2枚組)

(Y)