じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

伝統芸能界から国への「要望書案」ご賛同のお願い(新型コロナ感染拡大の現状を踏まえて)

 このところの新型コロナウイルス感染拡大の現状を踏まえて、伝統芸能界から国への「要望書案」ご賛同のお願いです。ご高覧の上、もしもご賛同いただけましたら、弊財団までメールでご送信いただきたくお願い申し上げます。

 その際には、「お名前」と「ご所属、お肩書きなど」、そしてもしも叶えば「おひと言のコメント」を、お書き添え下さいますようお願い申し上げます。お送り下さいました「お名前」「ご所属等」「コメント」は、国への要望書に記載させていただきます。(もしも匿名をご希望の場合は、お名前は伏せて提出致しますので、その旨をお書き添え下さい)

メール送信先は下記の通りです。

日本伝統文化振興財団infojapo-net.or.jp (★を@に変えて送信してください)

 

 さて、新型コロナウイルスの感染拡大に関わり、伝統芸能界に激震が走っております。先週310日、内閣官房から緊急コロナ対応策第2弾が発表されました。就学児童を持つフリーランスを含めた方々への8300円~4100円の支給を含め、様々な施策が掲載されていましたが、「文化に携わる方々」への言及は一切ありませんでした。

 いつまで続くか分からないこのコロナ問題の今後について、希望を全く持つことの出来ない、国の「無関心」と「無理解」に目を覆いました。

 このところ、伝統芸能実演家、指導者から悲痛な声が私共財団にも数多く届けられています。何か月も準備してようやく公演の日を迎える頃に、コロナ感染拡大防止のための「自粛」要請です。すべてが無駄になるのを避け、敢えて開催の道を選べば「常識のない、不届きな輩」と非難されるのは、現状では必至です。

 もちろんこれは「洋楽」「洋舞」「ポップス」「ロック」にも全く共通する事象です。演劇界からは、いち早く野田秀樹さんが声を挙げられたことが報道されました。

 しかし、ふだんからほとんど「報道」や「放送」に取り上げられる機会のない伝統芸能はどうでしょうか。公演の大小に関わらず、心血を注いで準備を進めていた会が、次々と中止、延期に追い込まれています。その費用は、その努力はいったい「どこが」「誰が」保障し、評価するというのでしょうか?

 オーバーでなく、この状況がこれから半年以上続けば、もう、戻れないギリギリのところで頑張っていた実演家、指導者の方々は、ただでさえ指導者も指導を受ける側も極めて高齢化している現状の中で、生活の糧を失い、細々と続けられてきた、かけがえのない「私たちの国の伝承」と「未来への継承」のチェーンが途切れてしまう、実に由々しき事態を目前にしています。

 半世紀近く、伝統文化の音と映像の世界に身を置いて参りましたひとりとして、本当にやむに止まれぬ思いで、約100名の方々と団体に「国への要望案へのご賛同のお願い」を先週末に発送しました。

 もとより国への要望書など作成したことがありませんので、全く不十分な文章ですが、末尾に添付しますので、ご高覧いただければ幸甚です。

 当初は319日の提出を予定しておりましたが、昨日17日に芸団協(日本芸能実演家団体連絡協議会)が国に対し、「新型コロナウイルス感染拡大防止による公演の中止等に伴う支援について要望書」を提出されました。

www.geidankyo.or.jp

 ここには、1 公演に携わる企業・団体等への支援、2 実演家・スタッフへの支援、そして、3 国民の鑑賞機会の回復に向けて、の3項目が記されています。ただ、伝統芸能に携わる方々の「悲痛な声」は、まだ十分に届けられていないと感じました。

 私ども財団は「伝統を未来に・・」という思いをずっと持って活動して参りました。そして今、「伝統を明日へつなげる」、そのことが本当に危機を迎えていると考えています。

 これまで、伝統文化、伝統芸能に携わる方々のおひとりおひとりは、声を上げて来られなかったように感じています。今、たくさんの声を集めて届けなければ、と切に願っています。

 取り急ぎ、長々と失礼しましたが、趣旨お汲み取りの上、ご賛同を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 

公益財団法人日本伝統文化振興財団 理事長 藤本 草

 

f:id:japojp:20200318184631j:plain

f:id:japojp:20200318184651j:plain

f:id:japojp:20200318192016j:plain