じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第五回中島勝祐創作賞受賞「若獅子会」

今年第五回を迎えた「中島勝祐創作賞」の受賞作品をご紹介します。7件の応募作品のなかから、邦楽囃子方のグループ、若獅子会(わかじしかい)作曲の「若獅子 I」が選ばれました。
  若獅子会
「中島勝祐創作賞」は長唄三味線演奏家、作曲家として創作邦楽の発展に大きく寄与した故 中島勝祐氏の功績を記念して創設された作曲賞で、「日本伝統文化振興財団賞」と並ぶ当財団の顕彰事業です。詳しくはこちらをご覧ください。 → 中島勝祐創作賞 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
若獅子会は、若手邦楽囃子方が流派を超えて集まり、2006年に結成した会です。日頃は日本舞踊や長唄などの三味線音楽で打楽器や笛を担当する囃子方の皆さんですが、日本の文化を少しでも多くの方に感じてもらうため、これからの時代に向けて新しい表現をしていきたい!という気持ちをもって結成されました。会の命名人間国宝の故、寶山左衛門(たから・さんざえもん)師によります。メンバー9名のプロフィールはこちらをご覧ください。 → 第五回 中島勝祐創作賞(受賞作品:「若獅子 Ⅰ」若獅子会) | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
2006年に第一回若獅子会公演を東京・日本橋劇場にて開催し、昨年10月に第十回を迎えました。当初は古典の勉強、研究が中心でしたが、第五回からは囃子のみの創作曲も発表するようになり、邦楽囃子の新しい可能性を模索しています。
「若獅子 I」は、その第五回公演で発表された、記念すべき作品です。若獅子会の代表曲として再演回数も多く、日本舞踊集団「弧の会」とのコラボレーションも実現しています。
審査員の一人でもある久保田敏子氏は、後述のCDの解説で、この曲を次のように評しています。

(囃子は、)一般の意識としては「引き立て役」の脇役で「主役」ではありません。しかし、この曲ではその常識を覆して、単独で鑑賞に供しうる「主張を持った個性派の主役」になっている点が斬新です。

第十回若獅子会記念公演のダイジェストがYouTubeで公開されています。後半8:05の辺りから「若獅子 I」の一部が聴けます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
→ 第十回記念 獅子会 ダイジェスト3 - YouTube
そして、ぜひ生演奏でフルバージョンを聴きたい!という方は、中島勝祐創作賞の贈呈式で披露演奏がありますのでお出かけください。
贈呈式は7月6日(水)午後6時から、東京、日本橋三越劇場で、日本伝統文化振興財団賞の贈呈式とともに開催されます。事前に申込があればどなたでも無料で入場できます。お誘い合わせのうえお出かけください。
ご希望の方はこちらの申込フォームから送信してください。 → 「第二十回日本伝統文化振興財団賞」「第五回中島勝祐創作賞」贈呈式【事前申込】 | jtcf.jp – 公演

「第二十回日本伝統文化振興財団賞」「第五回中島勝祐創作賞」贈呈式2016年7月6日(水)午後6時より(7時30分頃終演予定)
日本橋 三越劇場
《受賞記念演奏》
第二十回 日本伝統文化振興財団賞 受賞者 川瀬 露秋 氏
「鶴門」 (川瀬順輔 作曲、川瀬白秋 胡弓手付)
胡弓:川瀬 露秋  尺八:川瀬 庸輔

第五回 中島勝祐創作賞 受賞作品 「若獅子 I」
「若獅子 I」 (若獅子会 作曲)
若獅子会(堅田喜三郎 藤舎呂凰 福原貴三郎 福原鶴之助 福原百貴 福原百之助 鳳聲晴久 望月左太寿郎 望月正浩)

受賞作品は、中島勝祐氏の曲と一緒に収録したCDを当財団で制作・発行し、発売・頒布します。今年の受賞作品「若獅子 I」を収めたCDは、7月6日発売予定です。こちらでもお楽しみいただけます。 → じゃぽ音っと作品情報:中島勝祐創作賞 第五回 若獅子 Ⅰ /  若獅子会/中島勝祐

(Y)