じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ほうき尺八と宇宙箏

「和文化教育」第6回全国大会が10月30日と31日の2日間、東京都墨田区の江戸東京博物館で開かれました。大会テーマは「日本の心の良さを受け継ぎ、世界に発展させよう」。1日目の開会式とシンポジウム「現代を潤す江戸文化の彩り」に行ってきました…

林洋子、語りの世界〜宮沢賢治「雪わたり」

先月の五日ですから9月5日の話・・・まだ「暑かった」頃です(二ヶ月近く前になりますね)。柴又の帝釈天・鳳翔会館にて林洋子さんの『クラムボンの会 30周年記念大公演』がありました。笛やお囃子と語り、ということで宮沢賢治の「雪わたり」が後半に登場。…

「能・狂言に潜む中世人の精神」

先日、歌と踊りの古式を残した芸能とその反映を留めた狂言の公演を観たばかりですが、来年1月から、そのものずばり「能・狂言に潜む中世人(ちゅうせいびと)の精神」という連続公演が横浜能楽堂で開催されます。◆ 以下はチラシ裏面の掲載文。 世阿弥が、現…

キッズ伝統芸能体験

東京文化発信プロジェクトの一つ「キッズ伝統芸能体験」の長唄三味線のお稽古場におじゃましました(10月24日、江東区文化センター)。 「伝統芸能に初めて出会う子供たちへ、初めてだからこそ本物に触れてほしい」。そんな想いから企画されたという人気…

万葉の世界へ

過去、東大寺・大仏殿で発見されていた剣が、1250年も前に正倉院から持ち出された宝物だったと新聞記事を見ました。 陰陽一対で万物の調和を願ったといわれる「陽寶劔」と「陰寶劔」。 なんと神秘な世界なんでしょう☆ ここにきてまたまた正倉院の世界が広が…

地ビール「多摩の恵」

先日初めて地ビール「多摩の恵」を飲みましたが、これがじつに美味い! ここまでくると普段飲んでいるビールとは違う飲み物ですね。◆ ペールエールを瓶内発酵しているそうですが、色も香も深みがあって、コクのある味わいはまるでベルギービール。ちょっとハ…

郷みん’S(きょうみんず)

秋も深まってまいりました。秋といえば、やはり“食欲の秋”!今年は国産のマツタケが豊作とのことですが、私は幼い頃に縁側で食べた栗や柿がとても美味しかった事を思い出します。庭の柿の木の緑の葉っぱの中にかくれるオレンジ色の柿がとても可愛くて、よく…

紀尾井ホールへの道

秋たけなわ。演奏会シーズンの到来です。都内でコンサートを開催する場所は数多いと思いますが、そのなかでも自分にとっておなじみといえば、紀尾井ホール(邦楽ではとくに紀尾井小ホール)◆。自分がここへ参上する前に、足を踏み入れたくなるルートがありま…

「ぞめき」高円寺阿波おどりCD

東京の高円寺で毎夏の終わりに行なわれるイベント「阿波おどり」。わたしは友人が連に入っているのをきっかけに観に行くようになりましたが、それはもう凄い迫力です。このCD『ぞめき壱 高円寺阿波おどり』を見つけたのは7月のこと。思えばリリース直後の…

綾子舞、小河内の鹿島踊

国立能楽堂では毎月主催公演として「定例公演」「普及公演」の外に、「企画公演」や「特別公演」が組まれています。10月の「企画公演」は、“歌と舞の系譜――狂言と近世初期舞踊”と題して、後に近世の歌舞伎踊りにもつながっていった中世のおもかげを留めた民…

伝統文化ポーラ賞贈呈式に出席して

第30回伝統文化ポーラ賞贈呈式に行ってきました(10月21日、ANAインターコンチネンタルホテル東京)。 この賞は財団法人ポーラ伝統文化振興財団が、わが国の「無形の伝統文化」の保存・振興をはかるため、「伝統文化の分野で貢献され今後も活躍が期…

「いぶき」吉田兄弟

津軽三味線の生演奏を初めて目にし、耳にしたのは吉田兄弟でした。 若さ溢れるド迫力に唖然! CDを聞いても、それは確実に実感出来ます。私の思い出のCDです。 いぶき/津軽三味線 吉田兄弟(SHM-CD盤) (japogirl)

作曲家・佐藤聡明 公開講義

日本の伝統的な音感覚や美意識を現代的な方法で表現して世界的な評価を獲得した作曲家・佐藤聰明(さとう そうめい)さんの公開講義があります。日時:2010年10月22日(金)17:10〜19:00 場所:東京音楽大学 本館 A-100聴講自由、入場無料、事前の申込み不…

武満徹『エクリプス』(琵琶、尺八)

前に本ブログで「武満徹と琵琶」という記事を書いたとき、名作『ノヴェンバー・ステップス』(1967)の誕生の契機となった作品として琵琶と尺八のための『蝕(エクリプス)』(1966)の名前を出しましたが、この曲もちょうど今頃秋の季節にぴったりの音楽だ…

土取利行・中村明一共演in奈良

今年2010年は平城京遷都から1300年目に当たり、奈良ではさまざまな文化イベントが開催されました。「平城遷都1300年祭」とは、「平城遷都1300年記念事業推進委員会」、「日本と東アジアの未来を考える委員会」、「東アジア地方政府会合実行委員会」という三…

琵琶のお話

先日の「日本琵琶楽大系」CD復刻◆にちなみ、琵琶について「じゃぽ音っと」のナビゲーションとあわせてお話をさせてください。ビーンと響き渡る琵琶の音には、その場の空気をがらりと変えてしまう不思議な力を感じます。奈良(シルクロードの終着点といわれ、…

小倉朗 没後20年 室内楽作品展

作曲家・小倉朗(おぐら ろう)さんの著書『日本の耳』(岩波新書)を最初に読んだのは高校生のときでした。今年あらためて読み返したところ、日本人の音感と西洋のそれとの違いについての多彩な視点、推測と仮説の提示が面白く、以前とは比べものにならない…

情報求む=奄美しまうた・幻のSP盤

当財団では各種邦楽音源の記録と保存(=CD復刻)に取り組んでおりますが、時に、音源の在りかの探索を余儀なくされる場合もあります。多くの場合は、手がかりとなる当時のレコード発売元や、演奏・録音に関わられた個人(ご遺族)の方々、関連する団体組…

マジカルな、オペラの夜

10/8金曜日、新芸術監督、尾高忠明氏が就任した新国立劇場へ、シーズン開幕公演を見に行ってきました(初日は10/2)。三階席です。演目はリヒャルト・シュトラウスの「アラベッラ」。1幕ではオケの音バランスもよくなく(管楽器が必要以上に大きい)、歌手の…

来年こそは風の盆と五箇山へ

目下取り組んでいる仕事は「柴田南雄/合唱のためのシアター・ピース」の【増補解説・SHM-CD盤】の制作。各種資料をお借りするために柴田家に伺う機会もありますが、そのときに楽しみなのが、奥様の柴田純子(すみこ)さんのお話です。国内や海外へ積極的に…

長崎、生月島へ行った夏

すっかり秋ですね。 さきごろまで記録的な猛暑でしたが、そんなへヴィだった今年の夏、長崎へ個人的な旅行に行ってきました。 目的地は五島列島だったのですが、船の都合で旅程の変更を余儀なくされ、急遽行ってみようと思い立った島。 生月(いきつき)島(…

淡路島おすすめスポット

私の知り合いが近々淡路島へ行くということで、よい情報はないかと言われ、ご出身のかたに訊いてみたところ、下記のリプライをいただきました。皆様にシェア致します。*************【観光地】 まず洲本城天守閣、洲本城は大阪湾沿いの山の上に…

金木犀、ハチクロ、ペットサウンズ

このところ夜ツイッターのタイムラインを見ていると、金木犀についての話題がとても多いのです。ツイッターの検索窓で「金木犀」と入れると、無限とも思えるほどこの言葉が入ったツイートが流れてきます。その中で私が注意を引かれるのは、<この匂いが漂っ…

瞽女唄街道in雁木

上越高田で月岡祐紀子さんの瞽女唄(ごぜうた)を聴いてきました。 高田を象徴する雁木(がんぎ)の町並み。新潟県立歴史博物館のHPから、「雪とくらし 高田の雁木通り」→ ◆今日は、大町5丁目の旭会館で70名近い満員のお客様を集めてのミニコンサートを行…

民謡で大切なものとは

10月9日(土)と10日(日)は、福島県相馬市で「相馬民謡全国大会」が開催されます。初日は予選で、200人近い参加者が朝から夕方まで相馬に関わる民謡を歌います。人気が高いのは「新相馬節」や「相馬流れ山」ですが、どちらもなんともいえない深い味わいが…

「東大寺大仏」特別展いよいよ

先日、上野公園内の旧奏楽堂の演奏会に出かけたとき、東京国立博物館の前に「東大寺大仏」特別展の看板が出ていました。いよいよ10月8日(金)から始まります。 さすがに大仏さまご自身はお出ましにならないようですが、ゆかりの品々や仏像など、東大寺に参…

ついにガンダムエース入手!

10月3日の記事でご紹介した富野監督と鈴木輝昭さんの対談。昨夜、六本木の青山ブックセンターで雑誌「ガンダムエース」11月号をついにゲット!なんと見開き8ページにわたっての想像以上に内容の濃い対談でした。日本の合唱界の現状と今後への課題、さらには…

瞽女の催し、門前仲町と上越高田

三味線と唄を奏でる盲目の女性の旅芸人、瞽女(ごぜ)。山梨大学のジェラルド・グローマー教授の大著『瞽女と瞽女唄の研究』(名古屋大学出版局、2008年 ◆)は、第19回「小泉文夫音楽賞」と第25回「田辺尚雄賞」を受賞していますが、これを読むと、近世には…

武満徹と琵琶

今週10月8日(金)は武満徹さんの生誕80年の記念の日に当たり、東京オペラシティ タケミツメモリアルでは特別コンサート「武満徹 80歳バースデー・コンサート」が開催されます。生前親しかった指揮者オリヴァー・ナッセンとピアニストのピーター・ゼルキン(…

半濁音、ムックリ――アイヌ文化フェス

先週の土曜午後におじゃましたアイヌ文化フェスティバル2010@東京国際フォーラムの話を。ステージと展示があり、ステージは基調講演、口承文芸口演、音楽公演(トンコリとムックリ)、舞踊公演という構成。展示にもステージの終演後、大勢の方が集まってい…