じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「伝統を未来に・・・」2022

頌春

 

 日本伝統文化振興財団は平成五年の発足以来、日本の伝統文化の振興と発展に向けた公益事業に取り組んでまいりました。引き続き無形文化の記録・保存・公刊、公演支援、国際交流、教育支援など日本の伝統文化を支える事業を推進していく所存です。
 近年の音楽聴取メディアの変化はコロナ禍によってさらに拍車がかかり、ネットを利用した音楽配信にとどまらず世界に向けたライブ映像配信なども広がりつつあります。弊財団と致しましては伝統の未来への継承を確かなものとするため、従来の事業に加えて新たに録音・録画物の配信事業に取り組んで参ります。
 皆さまには、変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

 

   令和四年元旦

 

公益財団法人日本伝統文化振興財団
理事長 市橋 雄二

「地歌のいろは~九州系地歌と上方地歌の競演~」令和3年度(第76回)文化庁芸術祭(レコード部門)大賞受賞!

このたび日本伝統文化振興財団制作の「地歌のいろは~九州系地歌と上方地歌の競演~」(藤本昭子、菊央雄司ほか)(2021年3月24日発売)が、令和3年度(第76回)文化庁芸術祭レコード部門の大賞を受賞しました。

 

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本作品は、地歌箏曲家藤本昭子が主催した地歌公演「地歌のいろは」(2020年12月12日紀尾井小ホール)に寄せられた大きな反響を踏まえ、公演の全曲目を同じ演奏者で改めてスタジオ録音したCDアルバムです。公演時の音と映像記録が万全に残されていたにも拘らず、再度のチャレンジとなるスタジオ録音を自ら主催した藤本昭子の狙いは、九州系地歌と上方地歌の微細な表現の差異とそれぞれの味わいを、このまたとない機会を捉えて余すところなく記録に残すことにありました。ここに、古典地歌の継承に懸ける藤本昭子自身の強い願いが込められています。さらに今回のスタジオ録音では、独演だった公演時の舞台演奏とは異なり、上方地歌の技芸の真髄に迫る、一人二役の多重録音で「浪花十二月」が収録されました。

現代の地歌の主流となっている九州系と地歌の本家本元である上方の伝承や味わいの違いに着目した公演開催や音声記録は、これまでなかったと言って過言ではありません。古典地歌の継承者としての視点から藤本昭子が立案した手法は次の通りでした。

1曲ずつ通して九州系と上方を聴き比べる「黒髪」、九州系と上方で1曲を交互に演奏し、双方の歌と三弦を聴き比べる「雪」、上方地歌ならではの「浪花十二月」、九州系地歌ならではの三弦本手・替手合奏による「難波獅子」、そして出演者5人が5様の演奏形態を取る「松竹梅」。この多彩なバリエーションは、実力で三曲界の第一線を牽引する助演者のサポートがあって、初めて可能となったことは言うまでもありません。さらに本作品は演奏楽器にも拘り、九州系地歌の芸祖長谷幸輝検校遺愛の明治期の東京の三弦、その写しとして熊本で作られた大正期の三弦、上方地歌に伝えられる大正期の野川三味線が曲目ごとに選ばれ使用されました。

日本の伝統芸能は、それぞれのジャンルに優れた芸系や特徴ある流派がいくつも生み出されています。京阪の地で生まれた地歌もその例に漏れず、本来の味わいを今に伝える菊筋、富筋の芸系や、現在の地歌三弦とは楽器形態が異なる柳川三味線、野川三味線が途絶えず継承されています。

日本の古典芸能の多彩で豊かな広がりと繊細な味わいの一端を、異なる芸系の微細な差異に着目して企画収録された本作品を通じてお聴き取り頂きたいと願っています。

 

【受賞理由】

多彩な演奏形態とそれぞれに適した選曲によって九州系地歌と上方地歌の差異を検証しつつ、両者の魅力を存分に示すことに成功している。演奏会での録音ではなく、スタジオで録音し直すことによって精度が高まり、この意欲的な企画趣旨をより明確にすることで、記録・研究・そして鑑賞においても完成度の高いものとなった。

 

藤本昭子さんは日本伝統文化振興財団賞第7回の受賞者です。令和2年度(第75回)文化庁芸術祭(レコード部門)では、「雪墨 YUKISUMI/藤本昭子 佐藤允彦」で大賞を受賞。2年連続の大賞受賞となりました。

20年前からスタートした「地歌ライブ」は、去る2021年11月28日に第100回公演をもって終了し、また新たな一歩を踏み出されたばかりの藤本昭子さん。2022年1月22日(土)には、国立劇場小劇場にて「藤本昭子の会」第1回演奏会が開催されます。

 

子どもたち集まれ!放課後は「芸能花伝舎」で“クラブ活動”しよう!

西新宿にある芸能文化の拠点「芸能花伝舎」で、楽しみながら伝統文化の素養を身につけませんか?プロの実演家が親身に指導します。子どもたちの未来につながる、ホンモノの教養を!

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令和3年10月5日より、日本舞踊、三味線、落語も体験できる伝統文化総合コースがスタート。【芸能花伝舎クラブ】第一期生募集中!小学4年~中学1年生対象です。

 

芸術の専門家が集う特別な空間で知識や技術を学ぶだけでなく、プロの実演家やそこで出会う友人との交流による学校生活とは異なる経験が、子どもたちの豊かな感性を育みます。

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募集期間 : 2021年9月26日(日)まで

対  象 : 小学4年生~中学1年生

開校日程 : 2021年10月5日(火)~ 2022年3月1日(火)予定 

       (火曜日16:20~17:20まで)

場  所 : 芸能花伝舎

費  用 : 25,000円

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、専門家の指導下に「感染経路の遮断」に努め、細心の注意を払って安全・安心に実施するよう心がけます。

 

詳細はコチラから➾https://www.geidankyo.or.jp/12kaden/experience/detail/7907

 

【芸能花伝舎クラブに関するお問い合わせ】

芸団協・実演芸術振興部内 「芸能花伝舎クラブ」係

〒160-8374 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F

TEL:03-5909-3060(平日11時~16時)

第25回日本伝統文化振興財団賞と第10回中島勝祐創作賞

第25回日本伝統文化振興財団賞と第10回中島勝祐創作賞について、改めてご報告いたします。

 

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第25回日本伝統文化振興財団賞の受賞者は池間北斗(いけま ほくと)さん。沖縄在住の琉球箏曲演奏家です。贈賞理由は次のとおり。

[贈賞理由]

琉球器楽の琉球箏・胡弓・笛・太鼓は専ら歌三線の伴奏楽器として機能してきた。琉球箏は本土の八橋検校の芸脈が琉球士族によって王府にもたらされ、独自の成長をみせて古典十曲を今日に伝えるも、箏曲の独奏楽器としての飛躍と発展は未だしの感がのこる。池間北斗は胡弓の森田夏子・笛の入嵩西諭と相図り「琉球器楽の会」(平成31年2月、那覇・パレット市民劇場)を企画、琉球箏の独奏楽器としての機能を探り、その可能性・未来性を追及して、高水準の成果をよく示した。現代琉楽に新生面を開拓する真摯な姿勢と情熱は高く評価され、また期待するところ大である。

 

詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

jtcf.jp

 

当財団のもう一つの顕彰事業である中島勝祐創作賞の第10回は、地歌箏曲演奏家、菊重精峰さんの作品「一杯(いっぱい)」に贈られました。地歌作物(さくもの)風の楽しい曲です。

作品の詳細と菊重さんのプロフィールはこちらをご覧ください。

jtcf.jp

 

例年、6月頃に両賞の贈呈式を行い、そこで受賞者の技芸や作品をご披露いただいておりましたが、昨年に続き今年もコロナ禍により贈呈式を開催することが叶いません。本当に残念です。

それぞれ、受賞者の映像、受賞作品の録音によってご紹介するべく準備をしております。どうぞ楽しみにお待ちください。

(Y)

「古典芸能の精髄~日本舞踊」配信のお知らせ

「古典芸能の精髄~日本舞踊」(主催:文化庁、主催・制作:公益財団法人日本伝統文化振興財団)は、以下の3つの動画配信プラットフォームで2021年2月20日(土)朝8時から配信を開始します。

長唄「雨の四季」と清元「子守」の2演目が視聴できます。

 

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動画配信プラットフォーム

360channel https://www.360ch.tv

観劇三昧 https://v2.kan-geki.com

U-NEXT https://video.unext.jp

 

視聴料金:2,200円(税込)

配信期間:2021年2月20日(土)午前8時~4月19日(月)23時59分

 ご希望の配信プラットフォームから、それぞれのご利用方法に沿ってチケットを購入してご視聴ください。

 

出演者などの詳細は、じゃぽブログのこちらの記事をご覧ください。

japojp.hateblo.jp

 (Y)

映像配信予定!「古典芸能の精髄~日本舞踊」

文化庁委託事業の公演「古典芸能の精髄~日本舞踊」(主催:文化庁、公益財団法人日本伝統文化振興財団)を2021年1月23日(土)、日本橋公会堂で無観客で収録しました。2月に映像配信の予定です。

日本舞踊の立方は第24回日本伝統文化振興財団賞受賞者の花柳大日翠さん(はなやぎ おおひすい)さんです。

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jtcf.jp

演目は詩情豊かな長唄「雨の四季」と軽妙な清元「子守」。対照的な二つの舞踊をお楽しみいただけます。

演奏は長唄三味線の人間国宝、杵屋勝国さんをはじめとする錚々たるメンバーで、極上の音楽をお届けします。

2月20日配信開始予定ですが、詳細が決まりましたらお知らせします。

 

「古典芸能の精髄~日本舞踊」

 

長唄「雨の四季」

清元「子守」

 

日本舞踊 花柳大日翠

長唄

唄   杵屋勝四郎

    松永忠次郎

    杵屋巳之助

三味線 杵屋勝国(人間国宝

    今藤美治郎

    杵屋勝国毅

清元

浄瑠璃 清元美寿太夫

    清元清榮太夫

    清元清美太夫

三味線 清元美治郎

    清元栄吉

上調子 清元美一郎

 

   中川善雄

囃子  望月太津三郎

    堅田新十郎

    堅田昌宏

    堅田

 

文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」

主催:文化庁、公益財団法人日本伝統文化振興財団

制作:公益財団法人日本伝統文化振興財団

「伝統を未来に・・・」2021

頌 春

 日本伝統文化振興財団は平成五年の発足以来、日本の伝統文化の振興と発展に向けた公益事業に取り組んでまいりました。引き続き無形文化の記録・保存・公刊、公演事業、国際交流、教育支援など日本の伝統文化を支える事業を推進していく所存です。

 昨年来猛威を振るうコロナ禍は、日本はもとより世界中の文化に対する脅威ともなっていますが、いまこそ文化を将来に継承し、振興していくことが責務であると考えております。ともに手を携えて、この難局を乗り切って参りたいと存じます。 

 皆さまには、変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

 

      令和三年元旦

 

          公益財団法人日本伝統文化振興財団 理事長 藤本 草