じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

神戸・北野異人館街 (兵庫県)

三ノ宮(三宮)の駅を降りたら北側(山の方)へ北野坂を上っていくと、途中左側に午前8時から開店しているスターバックス神戸北野異人館店がありますので、朝食を摂りつつ一休み。この建物は通称「北野物語館」と呼ばれ、1907年に建築された木造2階建ての洋館で、建築当初は米国人が所有していたもの。1995年の阪神・淡路大震災の被害後に取り壊し予定だったところを神戸市が建物の寄贈を受けた上で解体・部材保管をし、2001年に部材を譲渡された民間事業者が現在地に再建・移築したとのことです。

神戸北野異人館店 | スターバックス コーヒー ジャパン
スターバックスのサイト(Free Wi-Fiサービス「at_STARBUCKS _Wi2」)で登録をおこなえばWi-Fiが効きますし、何より美しい部屋と調度品に囲まれてゆったりとソファーに座り、コーヒーを味わえるのはなかなかの気分。開店直後の時間帯は、まだすいていて、穴場なのです。ネットサーフィンしながら数ある異人館のどこを訪れるか調べることもできますね。こちらがわかりやすかったです→異人館ネット|異人館料金表|
公式サイトはこちら→神戸北野異人館街公式サイト ~神戸の異国情緒を異人館から~
一口に異人館といっても、伝統的建造物、公開異人館、テーマ館と3つに分類されているようです。今回は国指定重要文化財となっている「風見鶏の館」と「萌黄(もえぎ)の館」を訪れることにしました。
風見鶏の館|神戸北野異人館
風見鶏の館(旧トーマス住宅) | 神戸北野異人館街公式サイト ~神戸の異国情緒を異人館から~
萌黄の館 | 神戸北野異人館街公式サイト ~神戸の異国情緒を異人館から~
スターバックスから北野坂をさらにひたすらのぼっていくと、ほぼ東西に走る北野通りを渡り、続くトーマス坂をあがって直進し円形の北野町広場に突き当たります。すると広場の向こう、屋根の上に風見鶏が見えてきまして、その館が目的地の「風見鶏の館」です。入り口で「風見鶏の館」と「萌黄の館」2館券を購入すると、各館で個別に入館料を支払うより200円の割引となります。(「風見鶏の館」500円、「萌黄の館」300円、2館券は600円)
異人館ネット|異人館料金表|

「風見鶏の館」と呼ばれる旧トーマス住宅は、入り口で配布されたリーフレットによると下の通り。オフィシャルサイトにも同文が掲載されていました。

この館はかつて神戸に住んでいたドイツ人貿易商ゴッドフリート・トーマス氏(G.Thomas)が自邸として建てた建物です。

北野・山本地区に現存する異人館の中で、れんがの外壁の建物としては唯一のもので、色鮮やかなれんがの色調、石積みの玄関ポーチ、2階部分のハーフ・ティンバー(木骨構造)など、他の異人館と異なった重厚な雰囲気をもっています。

また尖塔の上に立つ風見鶏はよく知られ、今では北野町の象徴として欠かせない存在になっています。 〜以下略

同館内では常設でトーマス家の一人娘、故エルザさんが所蔵していたトーマス一家の当時の写真パネルが展示されていました。幼少時をこの館で過ごしたエルザさんでしたが、第一次世界大戦(1914ー1918)の勃発によりドイツが敵国となってしまったため、生まれ故郷の神戸を離れて祖国のドイツに渡る事になりました。その後ドイツで過ごして80代になったエルザさんは、1977年から放送されたNHKの朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「風見鶏」の舞台となったことがきっかけで、旧トーマス邸を神戸市が買い上げて異人館として一般公開することを知りました。エルザさんがドイツの海外放送の記者に自分のかつての神戸の家のことを話したことにより、1979年に来日が実現。その時の様子も写真パネルで見ることができます。

「風見鶏の館」の門を出ると先ほどの北野町広場が目前に見えますが、すぐ右手方向に坂を下ると「萌黄の館」があります。その名の通り外壁のペンキは淡いグリーンの萌黄色で目を魅きます。こちらは1903年アメリカ総領事ハンター・シャープ氏の邸宅として建築されました。

1944年には元神戸電鉄社長の小林秀雄氏の住宅となり、1980年には国の重要文化財になりましたが、当時は「白い異人館」と呼ばれていたようです。1987年の修復により建築当時の萌黄色の外壁に復元されて今の通称になったとのこと。入館の前に裏手にある小さな中庭に出てみると、1995年の阪神・淡路大震災で落下したレンガ作りの煙突が逆さまに地面に突き刺さっているのがそのまま残されていました。入館して2階に上がり、幾何学模様の美しいフレームで飾られた大きなガラス窓に囲まれたサンルームのようなベランダに出ました。その窓からは三ノ宮から元町のポートタワーまで見渡せる眺望です。入ってすぐ右側の部屋にはビクター音楽産業から発売になったレコードが飾られていました。ここでジャケット写真が撮影されたようです。

これら二館とは少し離れていますが、無料で入館できる「ラインの館」にも行ってみました。1915年に建築された洋館。現在は1階に記念品コーナーがあり、2階には北野異人館街の歴史や震災関係の展示がされていました→http://www.kobe-kazamidori.com/rhine/index.html
この他にもたくさんの異人館があります。こちらは神戸市の異人館ページ→�_�ˎs�F�ِl��

(J)