じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

CD「箏・三弦 古典/現代名曲集(22)」の「鳴沙」

本日は、5月25日に発売になった「箏・三弦 古典/現代名曲集(22)」のご紹介、第2回目です。

5月27日に、収録曲の1曲目「八橋」をご紹介して終わってしまいましたが、本日は2曲目の「三弦独奏による 鳴沙」です。
この曲は、正派大師範の後藤すみ子師による作曲で、作曲者自身の演奏によって収録されました。後藤すみ子師は、宮城道雄、中島靖子両師に師事し、1955年頃からは海外での演奏活動をはじめられ、33回の海外公演を行うなど、早くから世界に、日本の伝統音楽を発信されてきた方の中のお一人です。

曲のタイトル「鳴沙(めいさ)」は、中国最大の仏教遺跡、敦煌莫高窟にある「鳴沙山」よりとったそうです。鳴沙山の断崖に掘られた千佛洞は、世界遺産に登録されたそうです。
ところで後藤先生、大の旅好きでいらっしゃるということで・・・世界遺産をめぐって旅をされているとのこと。先日拝見した手記(正派邦楽会『楽道』)では、ペルーのマチュピチュ遺跡、ナスカの地上絵、エクアドルの首都キト、などを回られたことを書かれていました。
晦日にキトに入られた後藤先生、赤道の赤いライン上に、縦60センチ、幅40センチ位の流し台のようなものがあり「じょうご」の様な物体に水を流す実験をやっているのを見たそうです。赤道の赤いラインの上では、水は真っすぐ下に、左に50センチほど動かして流すと時計回りに、今度はラインより右へ50センチのところへ動かすと反対回りに流れたそうです。すごい体験ですね!
後藤すみ子師のDVDは、弊財団より2作品でております。宮城道雄作品「手事」から、三木稔作曲「箏 譚詩集 第一集《冬》」まで、規範的演奏技法の映像として、ご覧いただけます。

(制作担当:うなぎ)