じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

東京音頭と大東京音頭

昨日6月1日(水)に発売された作品をご紹介します。
みなさんもよくご存じの「東京音頭」と「大東京音頭」の2曲がカップリングされたシングルCDです。→ 「東京音頭/大東京音頭」

東京にお住まいの方以外でも、一度は耳にした事があるのではないでしょうか?東京音頭は「ハー 踊り踊るなら チョイト 東京音頭 ヨイヨイ」ではじまる、そう、あの曲です。

都内はもちろん、関東近郊の盆踊り大会では必ず踊られる「東京音頭」と「大東京音頭」。景気良いリズムと明るい歌声が会場を盛り上げます。既にたくさんのアルバムに収録されている曲ですが、この度のシングルCDには、歌詞カードと共にそれぞれの振付けを写真付きで掲載しています。子供から大人まで楽しく踊っていただけるよう、わかりやすく解説していますので、ぜひご活用下さい。
●「東京音頭」唄:鈴木正夫、江村貞一、藤みち子、三浦隆
(作詞:西條八十/作曲:中山晋平/編曲:寺岡真三)
●「大東京音頭」唄:橋幸夫金沢明子
(作詞:滝田常晴/補作詞:藤田まさと/作曲:遠藤実/編曲:前田俊明


東京音頭」は、昭和7年に有楽町界隈の商店主たちの企画で作られた「丸の内音頭」(A面は藤本二三吉、B面は三島一声で、ビクター製造の私家盤レコードを制作)を、翌8年にタイトルと歌詞の内容を東京の一地区から東京全体に飛躍させて、当時の東京市民全員が歌い踊れる歌に作り変えられたという経緯をもった音頭です。三島一声と小唄勝太郎の歌でビクターからレコード化され、空前の大ヒットとなりました。プロ野球チーム・東京ヤクルトスワローズの応援曲としても使われています。

「丸の内音頭」の誕生については次の記事をご覧ください。→ 月刊千代田人 第3回 日比谷松本楼社長 小坂哲瑯さん(千代田区観光協会ホームページ内)

「大東京音頭」は、東京12チャンネル(現・テレビ東京)の開局15周年記念事業として、一般から公募した総踊り唄です。多くの応募作品の中から愛知県の滝田常晴氏の詞が選ばれ、歌いやくすてスケール感のある曲を遠藤実氏が作曲しました。当時、レコード会社十社の競作合戦となり、歌謡界を盛り上げました。

今年は東日本大震災の影響で、夏祭りや盆踊り大会が少なくなるかもしれません。しかし盆踊りは、もともと仏教行事だったそうです。地域によっては新盆の供養の為に盆踊りを開催しています。日本全国にあるご当地音頭を輪になって踊ることで、地域結束、心の結びつきが強固になるような気がします。出来るなら今年の盆踊りは、犠牲になられた方々のご冥福、被災地の復興を祈って、全国各地で開催されることを望みます。

(K)