じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

恋の歌

いつ読んで書き留めておいたのかは遠い記憶のかなたですが、今年文化勲章を受章された万葉集の研究家・中西進先生のお書きになったこんな言葉がふと思いだされます。


幼にして親のないことを「孤」といい、
長じて子のなきを「独」という。・・・・・・
「孤悲」(万葉の文字)孤独な悲しみが恋の悲しみ、
いない相手を求めて歌を贈る、これが「相聞」なのである。


中西進先生は言葉の魔術師だと思う・・・・・。

ところで、11月20日に当財団から発売されたVZCG-8505〜6「百人一首〜恋の歌〜」。

ここには、加賀美幸子さん自らが選んだ五十首の恋のうたが詠まれています。
じゃぽ音っと作品情報:百人一首〜恋の歌〜(2枚組) /  加賀美幸子
加賀美さんの落ち着いた朗読と、それに呼吸をあわせるかのようなBGMが、音楽空間の広がりをもたらしてくれます。1枚目のBGMは、ウィーン在住の作曲家・指揮者森本恭正によるもの、2枚目は和楽器による演奏。歌の心象風景にフィットした素敵なBGMが効果的です。

あなたの思いに寄り添うような歌が見つかるでしょうか。
口語訳のほかに英訳も付いた解説書を読むと、より深い味わいが感じられるように思います。

ゆっくりと時間を楽しむためのお薦めのCDです。
そして、来年1月24日こんな魅力的な公演が開催されます。どうぞ、お出かけください!
百人一首の世界〜いにしえの恋のうた〜 加賀美幸子、WASABI

http://www.seikyoonline.jp/culture/bunka/2013/1210835_4165.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2013122302000196.html

(やちゃ坊)