じゃぽブログ

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宮城道雄没後60年「春を奏でる 」

東京は昨夜、春の嵐が通り抜けましたが、いよいよ桜の季節となりました。今週末にかけて、お花見日和となりそうです。

さて、そんな季節にぜひ聴いていただきたい「春を奏でる」箏曲のCDのご紹介です。
宮城道雄作品演奏の第一人者、安藤政輝さんの「宮城道雄を弾く」シリーズ第5弾です。

今年、宮城道雄没後60年記念企画として発売されたCDで、「春」をテーマとした曲を精選して収録しています。

[収録曲目](すべて宮城道雄作曲)
1 春の海
2 さくらさくら
3 春の訪れ
4 迎春
5 うぐいす
6 胡蝶
7 小鳥の歌
8 泉

なかでも注目したいのは、ヴァイオリニストの澤和樹さん(東京藝術大学教授、この4月から学長に就任)との共演による「春の海」と「さくらさくら」です。
「春の海」はお正月の定番のようになっていますが、本来、春ののどかな海辺の風景を表した曲ですから、この季節にじっくり味わってみるのもよさそうです。また、ヴァイオリンと箏の二重奏「さくらさくら」は、これが初めての録音公刊となります。おなじみの古謡「さくらさくら」の変奏曲ですが、箏と十七弦による有名な「さくら変奏曲」とは別の曲です。箏とヴァイオリンによるダイナミックな演奏をお聴きいただきたいと思います。
そのほか、尺八との二重奏曲「迎春」と「胡蝶」も、これまでレコードやCDでは聴けなかったものです。宮城道雄の作品には、まだまだ知られていない曲があるのですね。宮城道雄全作品連続演奏会をされている安藤さんならではの選曲です。
今は亡き尺八の人間国宝、山本邦山さんとの「泉」も貴重です。桜の季節に、「春を奏でる」箏の音色をぜひお楽しみください。
作品情報はこちら → じゃぽ音っと作品情報:安藤政輝 宮城道雄を弾く5 春を奏でる /  安藤政輝
「宮城道雄を弾く」シリーズはこちら → 日本伝統文化振興財団 作品検索:タイトルで「宮城道雄を弾く」の検索結果

(Y)

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