じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

DVD「箏〜さくらを弾きましょう」ご紹介

先週の土曜日に、「春の海〜水の変態 安藤政輝 宮城道雄を弾く」というCDをご紹介いたしましたが、本日はDVDをご紹介いたします。

本日ご紹介するDVDは、
授業で役立つ和楽器入門講座「箏〜さくらを弾きましょう〜」です。
本DVDも、先週ご紹介しました東京藝術大学音楽学部邦楽科教授として生田流箏曲の指導にあたられている安藤政輝師の監修、指導、演奏によるDVDです。

このDVDは、日本古謡《さくら》を教材として、箏(こと)の基本的な学習の役に立つように作られたものです。
ところで、この古謡《さくら》ですが、文部省音楽取調掛撰「箏曲集」(1888年刊)に「桜」として初出しているそうですが、もとは「咲いた桜、花見て戻る、吉野は桜、竜田は紅葉、唐崎の松、常磐常磐、深緑」という歌詞であったようです。
明治の改良唱歌運動で、子供が歌って弾くのにふさわしい詞章が付けられ、現在歌われている「さくらさくら、やよいの空は、見わたす限り、かすみか雲か、匂いぞ出ずる、いざやいざや、見にゆかん」という歌詞に改められ「箏曲集」に収められたようです。
箏曲を習うときこの曲が、入門曲としてよく使用されますが、お箏の糸のならびが、この曲が簡単に弾ける配列になっているからですね。
お箏の糸は、13本あって、
1番目〜13番目までは、
「レ」 「ソ」 「ラ」 「シ♭」  「レ」 「ミ♭」 「ソ」 「ラ 」 「シ♭」 「レ」 「ミ♭」 「ソ」 「ラ」
と都節(みやこぶし)音階で並んでいて、これで、
七七八、七七八、七八九八、七八七六 (七は七番目の糸)
(ソソラ、ソソラ、ソラシ♭ラ、ソラソミ♭)
と弾くと《さくら》になります。糸の移動は、前後に連続しているので、むずかしくありません!

本DVDでは、安藤師の解説により、【準備編】として、お箏の楽器の部分名称、座り方、爪のはめ方、調弦の取り方、楽器の出し方、しまい方、保管方法まで、【演奏編】として、《さくら》を主題とした基本奏法〜全曲演奏を収録しています。
最近、お箏を習いはじめた皆様、また和楽器指導をされる先生方におすすめのDVDです!

(制作担当:うなぎ)