じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

淡座旗揚げ公演『噺×現代音楽』

当財団ブログに、若い女性作曲家・桑原ゆうさんから、同世代の演奏家たちと結成した新しいグループ「淡座」(あわいざ)の旗揚げ公演についてご連絡をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

 
今回の公演のテーマは「落語」と「現代音楽」の交差だとか・・・えっ? 一瞬目を疑いましたが間違いではなさそうです。――古今亭志ん輔師匠に出演をお願いし、古典落語と現代音楽、言葉と音のあわいを描きます。」とのことです。

桑原ゆう(くわばら ゆう) プロフィール
 (淡座/企画・構成・作曲・演出)

1984年生まれ。2007年東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、2009年同大学大学院音楽研究科(修士課程)修了。第74、75、78回日本音楽コンクール作曲部門入選など。近年は特に言葉と音の関係性に興味があり、それを追究する作品づくりを行う。テナーリコーダーとアコーディオンのための作品《Doll-Blind》がEdition Wunn より出版されている。2009年度トーキョーワンダーサイト国内クリエーター制作交流プログラムに選抜。これまで佐藤眞、久行敏彦、Hanspeter Kyburz、Liza Lim、Chaya Czernowin の各氏に師事。

桑原ゆうさんについてのさらに詳しい情報は、こちらの「桑原三姉妹」のホームページをご覧ください。→ http://3shimai.com

では以下、お知らせいただいた<淡座旗揚げ公演『噺×現代音楽』>についてご紹介いたします。


淡座旗揚げ公演『噺×現代音楽』

11月20日(日) 宇都宮公演
1回目 12:30開場 13:00開演
2回目 16:00開場 16:30開演
be off
320-0838 宇都宮市吉野1-7-10
一般、学生とも3000円(全席自由)

11月28日(月) 東京公演
18:30開場 19:00開演
紀尾井小ホール
一般4000円、学生3000円(全席自由)
当イベント・フェイスブック

公演内容
桑原ゆう作曲 (全曲世界初演
「反魂香」による新作 (2011) 噺、ヴァイオリン、チェロ、三味線
「反魂香」による新作 (2011) ヴァイオリン、チェロ、三味線
「芝浜」による新作 (2011) 噺、 ヴァイオリン、チェロ、 三味線、エレクトロニクス

主催・企画・構成/淡座
作曲・演出/桑原ゆう(淡座)
出演/古今亭志ん輔噺家/ゲスト出演)、三瀬俊吾(ヴァイオリン/淡座)、藤井泉(チェロ/淡座)、本條秀慈郎(三味線/淡座)
エレクトロニクス/福島諭
宣伝美術/川村祐介
制作/大阪良文
助成/財団法人 アサヒビール芸術文化財
後援/一般財団法人 ヤマハ音楽振興会桐朋学園芸術短期大学音楽専攻同窓会「桐の音」
問い合わせ/ticket information
e-mail:  awai.za.edo2010@gmail.com
電話: 03-3719-7893 (三瀬)
電話: 紀尾井ホールチケットセンター 03-3237-0061(10時〜18時、日・祝休)


これは、なかなか斬新で挑戦的内容ですね! 桑原さんは若手作曲家として注目を集める存在ですが、経歴を見ると「2009年度トーキョーワンダーサイト国内クリエーター制作交流プログラムに選抜」とあります。やや実験的寄りということでしょうか。

古典落語と現代音楽」と聞くと、その昔、メシアンに学んだパリ在住の作曲家・吉田進さんが、演歌のエッセンスを取り上げた現代音楽作品を提示してパリで大きく脚光を浴びていたのを思い出します。(残念ながら日本では肯定的な反応は少なかったような・・・)LP盤も出ていましたね。

演歌・空蝉/吉田進の世界』(東芝EMIEWC-90016)
Side A
演歌 I(1978)、演歌II(1980)――ソプラノと9人の奏者のための
Side B
空蝉〔うつせみ〕(1979)――オーケストラのための

たしか「題名のない音楽会」だったかで吉田進さんを特集して、吉田さん憧れの(!)石川さゆりさんをゲストに招き、吉田さんの「現代音楽」作品を石川さんも加わって演奏したのを記憶しています。おお、なんとご本人のウェブサイトがありましたッ!現在もパリでご活躍されているようです。最近の作風はどうなのか気になりますね。
吉田進の世界 Susumu Yoshida

(堀内)