じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

箱根で見つけたもの

先日プライベートで箱根に遊びに行って参りました!その日箱根一面雪化粧。すがすがしい空気に癒され、露天風呂から雪で木々が真っ白になった美しい景色を眺め・・・とても良い休日でした。

温泉に行ったら、やっぱりお土産探しが楽しいもの。箱根湯本駅には改札の目の前に『箱根の市』という、駅構内にありながら大変充実したお土産屋さんがあります。温泉まんじゅうや寄木細工などの箱根の名産品から人気ホテル商品などの限定品まで数多くラインアップ。改札に近い方のコーナーには、電車グッズが売っており、電車好きなお子さんから大人の方まで、わくわくする品揃えです。

その中で「あっ」と思ったものが一つありました。四角い、電車の座席カバー(特急などで、座席の頭の部分に当てる保護布)の様な布です。可愛らしい、でもどこか伝統的な堂々とした風格をただよわせるその商品には「川島織物」の表記が。


格式の高い、金糸の織り込まれた絢爛豪華な帯(着物の)、として川島織物の名をご存じの方も多いかと存じます。もしくは、緞帳(どんちょう)メーカーとしてピンとくる方もいらっしゃるでしょうか?


※こちらの写真は歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人より掲載しています

川島織物の正式企業名称は、株式会社川島織物セルコン。創業は古く、1843年(天保14年)にまでさかのぼります。1910年(明治43年)から室内装飾の分野に進出してカーテンや壁装、カーペットといったインテリアでの大手に。自動車・列車・航空機などのシートなど様々な用途に使われる産業資材も製造しているほか、もともと強みのある美術工芸の分野で、帯、緞帳、祭礼幕、和装小物、打掛、能衣装、化粧廻し、旗、テーブルセンターなどを作っています。(産業資材事業は川島織物から派生した別会社で運営)

天保14年からのれんを守ると共に、新しい事業を切り開いて、現代に適した伝統を発展させ続ける川島織物。旅の一番最後、土産物の「電車シート」に小さな感動を覚え、箱根を後にしたのでした。「箱根の市」お勧めですョ。

(弘)