第24回(令和2年度)日本伝統文化振興財団賞の受賞者は、日本舞踊家の花柳大日翠さんに決まりました。
花柳大日翠さん
「日本伝統文化振興財団賞」は、わが国の無形文化の保存・振興・普及に努めることを目的とする当財団の顕彰事業の一環として、伝統芸能分野で将来いっそうの活躍が期待される優秀なアーティストを毎年一名顕彰するものです。賞金は50万円。副賞としてDVDを制作し、受賞者の技芸を広く紹介します。
花柳大日翠さんの贈賞理由は次のとおりです。
幼少時から舞踊家の母の膝下で踊りながら育ち、17歳で花柳流名取を修得。私淑の師花柳寿南海に入門して親炙に浴し、古典舞踊の精髄を貪欲にひたすら学び、その成果は早くに実を結んで、定評のある新春舞踊大会賞の連続受賞などもあって、斯界の注目を集め期待が寄せられている。一方、大学の教壇にも立ち日本舞踊の実技と理論を講じ、さらに各地各方面でのレクチャー、ワークショップを通して、日本舞踊の魅力と価値の啓発普及に実をあげている。
恩師譲りの軽妙な味わいの中に情趣の深さ豊かさを巧みに表現し得る貴重な才能として、また、日本舞踊の将来に明るい希望をもたらす舞踊家の一人として、期待するところ大である。
古典を大切に活動されてきたとのことですが、創作や子ども向けのワークショップ、大学での指導など、さまざまな分野にも意欲的に取り組んでいる花柳大日翠さん、これからの活躍がますます楽しみです。
プロフィールはこちらをご覧ください。→
花柳 大日翠《日本舞踊》/第24回(令和2年・2020年度)受賞者 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
日本伝統文化振興財団賞の贈呈式は毎年6月頃に公開で行ってきましたが、今年は新型コロナウイルスの影響により、残念ながら見送ることとなりました。後日、副賞として花柳大日翠さんの舞踊を収録したDVDを制作し、発売する予定です。どうぞご期待ください。
また、当財団のもう一つの顕彰事業である中島勝祐創作賞は、今年第9回を迎えました。審査委員の厳正なる審議の結果、今回初めてのケースとなりますが、2つの作品に贈呈することが決まりました。野村祐子さん作曲「桜花三章(おうかさんしょう)」と、新内多賀太夫さん作曲「寿猫(ことぶきねこ)」です。
「桜花三章」は箏曲演奏家、野村祐子さんによる歌・箏・尺八という編成の曲。「寿猫」は新内節演奏家の新内多賀太夫さんによる、浄瑠璃と三味線にお囃子が加わった曲です。新内多賀太夫さんは第22回日本伝統文化振興財団賞の受賞者でもあり、両賞のダブル受賞は鶴澤津賀寿さんに続き2人目となります。
中島勝祐創作賞も財団賞と同様、例年のような贈呈式はできませんが、中島勝祐師の作品とともに受賞の2作品を収めたCDを制作の予定です。ぜひCDでお聴きいただければと思います。
中島勝祐創作賞について、詳しくはこちらのページをご覧ください。→
受賞2作品と作曲者のプロフィールについてはこちら。→
第9回 中島勝祐創作賞(受賞作品:野村祐子氏「桜花三章」、新内多賀太夫氏「寿猫」) | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
(Y)