じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

【5/31(3)】清元美治郎《清元》 #charity531

歴代の日本伝統文化振興財団賞の全受賞者による5/31東日本大震災チャリティ公演「古典芸能の夕べ」の出演者を紹介するシリーズ。今日は第3回受賞者の清元美治郎(きよもと・よしじろう)さんをご紹介いたします。
「清元の三味線方として、太夫の語りをたすけるメリハリのきいた撥捌きと艶で定評があり、抑揚緩急に富む粋な清元節の曲調をよく伝える数少ない一人と言えます。」という贈呈理由と芸歴はこちらにあります。→http://japan.japo-net.or.jp/cultivate/recipient/recipient_3.shtml
第3回の頃は、まだ当財団が「ビクター伝統文化振興財団」と称していた時代です(平成17年[2005年]7月から現在の名称に変更)。今や清元美治郎さんの三味線は「中堅実力派」の域を脱して、清元愛好家の熱い信頼の視線を集めるに至っています。
昨年(2010年)、清元の高輪派と梅派のふたつの流派が芸の違いを乗り越えて88年ぶりに共演した8月24日の国立劇場公演『清元〜清き流れひと元に〜』は、年間を通じても邦楽界のトピックの筆頭に挙がるものだったと思います(当ブログでも以前ご紹介しています → 「再放送:清元延寿太夫 清元梅吉」)。清元美治郎さんはこの舞台にも出演されていました。当日の公演パンフレットに掲載されていた清元美治郎さんのプロフィールをご紹介しましょう。

昭和20年大阪生まれ。立三味線として、常に太夫の語りの手助けになる事を心がけて弾く音色には、周囲への気配りと、寛大で柔軟なお人柄が滲み出る実力者。緊張の合間の息抜きはパソコンとのこと。清元協会のホームページの作成も担当。ヴィンテージマイクで生演奏の録音に凝るオーディオマニアとしても有名。

清元美治郎さんが作成を担当されているという「清元協会のホームページ」はこちらです。→


「清元〜清き流れひと元に〜」はNHKでも舞台の模様が放送されました。同時にNHKが制作した、新年早々の合同演奏の発表と稽古から8月の舞台までの217日間を追ったドキュメンタリー番組「若き宗家と至高の三味線〜清元二派88年ぶりの共演〜」も大きな反響を巻き起こし、熱烈なアンコールに応えて数度にわたる再放送が行われましたが、先月ついにNHKエンタープライズからのDVD化が実現。「清元〜清き流れひと元に〜」の舞台とあわせての2枚組です。清元美治郎さんは、清元延志寿佳さんと一緒に、本作の監修を務めていらっしゃいます。もしまだご覧になっていない方には強くお薦めしたいDVDです。

* 当ブログでも以前に関連記事を書いています。(2010年11月6日)
「再放送:清元延寿太夫 清元梅吉」

こちらが、NHKのDVD情報→ DVD『芸の真髄シリーズ 清元 〜清き流れひと元に〜 清元延寿太夫 清元梅吉』(2枚組)

清元美治郎さんの財団賞受賞記念のCDはこちらです→じゃぽ音っと作品情報:第3回ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」清元美治郎 /  清元美治郎


また清元美治郎さんは、当財団から発売している今藤政太郎さんの作品集CD(現在5枚を発売中)の内、「作品集(一) ─人間愛─」と「作品集(二) ─ことばの匠─」では胡弓で、「作品集(三) ─四季─」では三味線で演奏に参加されています。

  


来る5月31日のチャリティ公演では、清元「お祭り」で三味線を演奏されます。賛助出演は清元美寿太夫さん、清元清美太夫さん、清元栄吉さんです。「お祭り」は1826年(文政9)に初演された、江戸の二大祭のひとつの日枝神社(ひえじんじゃ)の山王祭(さんのうまつり)を題材とした曲です。本名題は「再茲歌舞伎花轢(またここにかぶきのはなだし)」。


東日本大震災チャリティ公演「古典芸能の夕べ」

開催意図、全演奏予定曲目はこちら→ 東日本大震災チャリティ公演〜日本伝統文化振興財団賞歴代受賞者による〜古典芸能の夕べ
【日時】平成23年5月31日(火) 午後6時開演(4時半開場)
【場所】紀尾井ホール(1階) 
【入場料】5,000円(全席自由)
この公演チケットで、第15回日本伝統文化振興財団賞贈呈式(午後5時開始)にもご入場いただけます。
【チケットお申し込み】日本伝統文化振興財団 電話:03-3222-4155(平日11:00〜18:00)
インターネット:じゃぽマガジン | 伝統芸能 観たい! 聴きたい!
紀尾井ホールチケットセンター 電話:03-3237-0061(平日・土曜10:00〜18:00)

(堀内)