じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

Stay Hungry, Stay Foolish.

会社の代表や役員などのリーダーシップ発揮を、ビジネスコーチとしてサポートしている友人から薦められた本『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(2010年 カーマイン・ガロ著、井口耕二訳)を読んでみました。ジョブズはもちろんコンピュータのiMacやMacBookPro、スマートフォンiPhoneなどで有名なアップルのCEO。スライドを使って多くの人の前で話をするようなプレゼンテーションなんて自分には関係無いと思っていましたが、面白く読めたので(そして前述の三つに加えiPadも使っているMacユーザーとして)、すでに多くのかたが論じていますが、自分の備忘録としてまとめました。(ちなみにiMacのiはインターネットのiだそうです。)
日経BP SHOP|スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン
ホームページです→Apple(日本)

・・・スターバックスのCEO、ハワード・シュルツはコーヒーを売っているのではない。彼が売っているのは、職場でもなく家庭でもない「第三の場所」だ・・・中略・・・同じように、ジョブズはコンピュータを売っているのではない。彼が売っているのは、人の可能性を束縛から解き放つツールなのだ・・・(同書より引用)

以下、自分がチェックしたポイントです。
◎聞き手が知りたいのはただひとつ「なぜその商品・サービス等を気にかける必要があるのか」
◎商品・サービス等について、日本語で70文字以内でツイッターのようなヘッドライン(ひとつだけ覚えて欲しいこと)を作る、そしてこれを二回は伝える(その商品やサービスがもたらすよりよい未来というビジョンを聴衆に提案)
◎まずは聞き手に話の全体がわかるように、三つのポイントを絞ってロードマップ(概要)を示す
◎話に敵役(ユーザーが痛みを感じるポイント)を登場させ、そのあとで敵役をやっつける正義の味方に現状を打破させる(ストーリー構築)
◎一枚のスライドを箇条書きにしてはいけない(写真など、シンプルなビジュアル重視に。画像優位性効果。読まれることが前提のメールや書籍などはOK)
◎聞き手は三点か四点しかメッセージを記憶できないため、聴衆に知って欲しいポイントを全て挙げたあと三点か四点に絞り込む
◎メッセージをたとえや比較によってわかりやすくする(数字も)例えば・・・<iPhone 3G。速度は2倍、価格は半分>
◎選んだポイントはプレスリリース、ウェブサイトなど全てのマーケティング資料で繰り返し使用
◎10分経つと聴衆は話を聴かなくなる→ゲスト、ビデオクリップ(二分以内)の活用
バズワードジャーゴン(業界の特殊用語)を使わない
◎ある研究によると、どのジャンルでも世界的な達人というレベルまで達するには一万時間の練習が必要、ジョブズも30年間やり続けて今のレベルに達した

そして、最終的には「台本を捨てる」。ステップは、(1)しゃべる内容を文章で書き、(2)キーワードをハイライトして練習、(3)キーワードを残して台本を削除、(4)スライドごとにひとつのキーアイデアをたたき込む、(5)メモ無し、スライドのみで全体を練習・・・とのこと。練習がとにかく大事で、ビデオカメラで自分を撮影して見直すとよいとか。
アンコール:最後にもうひとつ、として、あとがきがあるのですが、スタンフォード大学卒業式(2005/6/12)での有名なスピーチが紹介されています。最後のほうで繰り返される「Stay Hungry, Stay Foolish.」は、「ハングリーであれ。分別くさくなるな。」と訳されています。いつまでも貪欲に、いつまでも馬鹿をやってろ、後先考えるな・・・といったところでしょうか。いろいろと訳されていますが、英語のままのほうがなんだかしっくりきますね。こちらに字幕付きの映像があります→http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670#


おまけ。アップルの有名な広告映像です。
"Think Different"→Think Different - YouTube

(J)