先日フランスの老舗新聞社がインターネットの影響で発行部数が極端に減少し廃刊になったというニュースがありましたが、日本でもメディアの電子革命が進んでいます。現在、ほとんどの新聞社は紙媒体だけでなくホームページでも記事を配信しています。
現時点では無料で閲覧できるものがほとんどですが、紙媒体の発行部数の減少がさらに進めば、いずれは有料に変わっていくと予想されます。おそらく将来は、無料で配信される短い速報記事と、有料の多種多様な記事へと分かれていくのではないか。実際、朝日新聞のサイトの閲覧が今年から有料に変わりました(今は記事の最初の部分だけが読めて、続きは有料会員しか閲覧できないというかたち。たしかにこれも一案でしょう)。
たんに「情報」というだけなら(隠された真実からあやしげな流言に至るまで)、いまや新聞社以外でも多様な情報発信が行なわれています。要するに編集・取材の観点を経た「記事」を読むことが明確な価値をもたらさないかぎり、ネット社会にあって、新聞社の存在は薄れていかざるを得ないのではないかと思います。
現時点で、邦楽関連の記事をとりあげている各新聞(全国紙)のインターネット・ページをご案内します。
読売新聞 伝統芸
(総合トップ>エンタメ>舞台・伝統芸>伝統芸)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/trad/
朝日新聞 古典芸能 記事一覧
(asahi.com>エンタメ>舞台>古典芸能記事一覧)
http://www.asahi.com/showbiz/stage/koten/
朝日新聞 歌舞伎 記事一覧
(asahi.com>エンタメ>舞台>歌舞伎記事一覧)
http://www.asahi.com/showbiz/stage/kabuki/
東京新聞 放送芸能 伝統芸能一覧
(トップ>放送芸能>伝統芸能一覧)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/
聖教新聞 文化のページ
(ホーム>文化・情報>文化のページ)
http://www.seikyoonline.jp/culture/bunka/index.html
しんぶん赤旗 紙面のご紹介 学問文化
(話題のインタビューの内いくつかが、紙面をスキャンした画像で閲覧可能)
http://www.jcp.or.jp/akahata/html/menu11/index.html
日本経済新聞と時事通信社は、伝統音楽の話題をほとんど取り上げていないので省いています。また、各地方紙は、地元で開催される伝統芸能関連の記事を積極的に扱っていますが今回は省きました(特に「文化」というコーナーを設けずに、社会面の一般記事のひとつとして配信されている場合が多いようです)。
ところで、ほとんどの新聞社で、どうして文化の記事が「エンタテインメント」の中に入るのか。伝統文化・各種芸術分野などを扱う「文化」と、商業的・大衆的な文化である「エンタテインメント」を分けて考えるべきではないのか。そしてある程度は「文化」の記事・情報を提供していくことをしていかないと、日本の文化は、娯楽性や分かりやすさばかりに傾いていき、ますます幼稚化していくのではないかと心配です。
(堀内)