じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

和楽器ご紹介(3)「尺八」

皆さん、こんにちは。最近では、急に強い雨が降ったりと、天気が落ち着かないですね。今日はなんとか雨に降られず、各地で花火大会が開催されたようで、浴衣姿の方が多く見られました。
昨日TBSテレビの番組で、プロゴルファーの尾崎3兄弟が出演されていたのですが、将司さんことジャンボ尾崎さん、弟のジェット尾崎さん、そして同じJで始まるニックネームを付けられたというジョー尾崎さん、と皆さんJがついているそうですが、そんなJ繋がりで、本日は尺八奏者のJ先生にご無理を申しまして、尺八の運指を見せていただきました。(前フリが長すぎですね。)
尺八の名称は、長さ一尺八寸に由来するといわれています。日本の竹は、何百種類とあるそうですが、その中でも「真竹(まだけ)」の根元を使用して作られます。
流派は数派あり、虚無僧(こむそう)が、読経に相当するものとして尺八を奏していた江戸時代に、尺八を教える専門の教師であった黒沢琴古(1710-71)の流れを汲む琴古流(きんこりゅう)、また明治以降に派生した、中尾都山(1876-1956)を流祖とする都山流(とざんりゅう)では、時代に即応する新曲の創作を試みるなどし、現在では二大流派となっています。

それでは、尺八の基本の音階「ロ ツ レ チ リ」(琴古流・一尺八寸管の場合)です。尺八の長さで音域が変わります
1) 表4つ、裏1つの全部の指孔をふさぎます。こちらが「ロ」。西洋音階では「D(レ)」の音です。

2) 次に、一番下の孔(薬指)をあけます。こちらが「ツ」。西洋音階で、「F(ファ)」の音です。

3) 次は、下の2つの孔(薬指、人差し指)があいています。こちらが「レ」。西洋音階の「G(ソ)」の音。

4) 次は、下から3つの孔をあけました。こちらが「チ」。西洋音階で「A(ラ)」の音です。

5) 次に、上の2つの孔をあけます。こちらが「リ」(都山流では「ハ」)。西洋音階で、「C(ド)」です。

そして最初の指使いに戻って、息の吹き方を変えることによって、1オクターブ高い「ロ」の音を出します。
こちらは、メリの音を作る指使いです。ちょ〜っとだけ開けます。メリは音階を下げる奏法で、写真は「ツ」のメリ。西洋音階ですと「Es(ミ♭)」。

こちらは「ツ」の中メリ。孔の開け方が多いです。西洋音階で「E(ミ)」です。このように、音を作っていきます!

とこで、J先生の尺八の構えはサウスポーだそうです。ふつう右利きの方は、右手が下で構えるそうですが、子供の頃、リコーダーより先に尺八を手にしたJ先生は、バットを持つ感覚で左手が下でも持ちやすかったのだそうです。実際には右利きとのことです。サウスポーの方は全体で1割くらいいらっしゃるのでは…とのことでした。
ご無理を申しましたが、取材に応じていただきましてありがとうございました!以前、やはりご無理を言いまして取材させていただきた和楽器も併せてご覧ください。
◆和楽器ご紹介「鼓」
◆和楽器ご紹介(2)「長唄三味線」

(制作担当:うなぎ)