じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

藤井昭子「地歌ライブ《獅子物》〜手事物の華やかな系譜」

先週17日(日)、第70回の記念公演となる「藤井昭子 地歌ライブ《獅子物》〜手事物の華やかな系譜」が、よみうり大手町ホールにて開催されました。
猛暑の中だというのに、500人の会場はぼぼ満席、大盛況!2001年にスタートしてから14年間で70回というこのライブ、その70回記念にふさわしい内容でした。

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【藤井昭子 地歌ライブ《獅子物》〜手事物の華やかな系譜】演奏曲目
1、「難波獅子」歌・三弦(替手):藤井昭子/歌・三弦(本手):奥田雅楽之一
2、「八千代獅子」歌・三弦:藤井昭子/胡弓:高橋翠
3、「越後獅子」歌・三弦:藤井昭子/尺八:徳丸十盟
4、「御山獅子」歌・三弦:藤井泰和/歌・箏:藤井昭子
5、「吾妻獅子」歌・三弦:藤井昭子/歌・箏:山登松和(山田流)/尺八:善養寺惠介


演目は記念公演にふさわしく、おめでたい獅子物をなんと5曲も!普段これだけ一気に獅子ものを聴く機会もなかなかないので、とても興味深く聞かせて頂きました。尺八と一丁一管の「越後獅子」や、山田の箏と合わせた「吾妻獅子」など、どの曲にも趣向が凝らされており、大変面白かったです。
また曲もさることながら、各曲終了後の出演者とのトークも、大変楽しませて頂きました。とくに兄・藤井泰和さんの語った、母(人間国宝・藤井久仁江)が亡くなる前にした「隣には誰を置いて演奏したいのか」という質問に対し、「それは昭子しかいないでしょう」と答えたというエピソードは、息のあった兄弟演奏を聞いた後にはことさらに心に残るものでした。
古典を継承するだけでなく、常に新たな挑戦を続ける藤井昭子さんから目が離せません。

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(まりちょ)