常磐津三味線方の人間国宝、常磐津英寿さんが主催する「第九回 愛の会」に行ってきました(2015年1月15日 紀尾井小ホール)。
「文化功労者認定記念 感謝の演奏会」とあるとおり、昨年10月に文化功労者に選ばれた英寿師が、自ら開いた記念のお祝いの会です。
企画も制作もすべてご本人。感謝の意味をこめ、申し込み制で全員ご招待という会でしたが、その電話対応もご本人がされていて、恐縮してしまうほどでした。
番組は祝儀曲三題。いずれも常磐津演奏家となられた長男の文字兵衛さん、次男の兼太夫さん、長女の兼豊さんも共演され、お正月らしくおめでたく、舞台も金屏風に緋毛氈で通されました。
プログラム
「寿萬歳」(ことぶきまんざい)
浄瑠璃:常磐津兼豊 常磐津嘉代
三味線:常磐津孝野 常磐津紫緒
祝言「寿式三番叟」(しゅうげん ことぶきしきさんばそう)
浄瑠璃:常磐津文字太夫 常磐津兼太夫 常磐津仲重太夫 常磐津小文字太夫
三味線:常磐津英寿 常磐津文字蔵 岸澤式松 上調子:常磐津文字兵衛
「老松」(おいまつ)
浄瑠璃:常磐津兼太夫 常磐津一幸太夫 常磐津兼圃太夫
三味線:常磐津文字兵衛 岸澤式松 上調子:岸澤式明
英寿師が出演された「寿式三番叟」は能の「三番叟」が元になった曲ですが、三味線で能楽のお囃子の雰囲気がかもしだされ、全体に厳かでお祝いの気分にあふれていました。英寿師の撥から繰り出される力強い音色を、一つ一つ大切に拝聴しました。
最後にご挨拶があり、この日、1月15日がお誕生日で、ちょうど満88歳を迎えられたということ。常磐津発展のために、これからも古典と新作に取り組んでいきたいという真摯なお言葉に胸が熱くなりました。
「第六回 愛の会」の記事→ 常磐津「愛の会」 - じゃぽブログ
(Y)