じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「路線バスの旅」から「牛深ハイヤ節」

NHK「のんびりゆったり 路線バスの旅」NHK総合土曜午後5時30分〜6時)という番組をご存知ですか?

「旅人が路線バスを乗り継いで、地元の人々とふれ合いながら、日本の魅力を再発見する旅。全国各地で赤字鉄道の廃止が進む中、公共交通機関で日本の隅々まで行けるのは路線バスだけ。バスの車内や途中下車した街での地元の人々との一期一会の出会い、そして思わぬ発見。行き当たりばったり、何が起こるか予測不能の旅から、それぞれの地方の風土や歴史、暮らしぶりが見えてくる…。」(番組ホームページより)

今日たまたま4月28日放送分の再放送を観ていました。タイトルは「天草の潮風に吹かれて」

路線バスにゆられてのんびりゆったり旅をしたい。今回訪れたのは、青く美しい海に大小120余りの島々が浮かぶ、熊本県天草諸島
鉄道のない島々を唯一の公共交通機関・路線バスで旅をしたのは、大阪府出身の俳優 松田悟志さん。天草の海の幸を堪能し、野生の赤ちゃんイルカに出会い、古くから続く独自の文化に触れ…。そして何より、元気いっぱいで陽気な天草の皆さんの笑顔が忘れられない、2日間のバス旅でした。(番組ホームページ内バックナンバーより)

その旅の終着地、天草最南端のバス停・牛深(うしぶか)港に着くとどこからか賑やかな音が。これは「牛深ハイヤ節」じゃないですか! ロケ隊が訪れたとき、ちょうど牛深ハイヤ祭りが行なわれる直前だったそうで「牛深ハイヤ節」に合わせて、地元のみなさんが練習のため、輪になって踊っていらしたわけです。
牛深商工会議所のホームページ内にある第41回牛深ハイヤ祭りのページ。ちょうど今からひと月ほど前の4月下旬にあったのですね。ページには楽しそうな催し物がたくさん並んでいました。天草方面へご旅行される際には狙い目のひとつになりそうですね。
この牛深は海がしけた時に船が避難する港として栄えた町とのこと。江戸時代、波がおさまるのを待つ船乗りをもてなそうと「ハイヤ節」が生まれたのだそうです。船乗りといえば気性が荒いけれどさっぱりしていて格好良いといったイメージが自分にはありますが、力強くスピードのあるリズムで踊るこの曲が、そんな船乗りたちをもてなすのにぴったりだったのかもしれません。
曲名「牛深ハイヤ節」をじゃぽ音っとの作品検索で探すと、民謡のタイトルがたくさんヒットします(→検索結果はこちらで)。なかでも民謡界の若手グループ、郷みん'SデビューCD「郷みん'S ふる里 虹の懸け橋」の一曲目は田原坂〜牛深ハイヤ節」。ステージでの「牛深ハイヤ節」は、踊りに唄と太鼓に三味線……郷みん'S三人の魅力が凝縮されたかのよう。とても華やかで迫力があります。民謡にあまり馴染みのなかった方でも、ステージをご覧になればきっと圧倒されることと思います!

(じゃぽ音っと編集部T)