じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

天の音楽 世間の楽〜源博雅をめぐって〜

さて、暮れも押し詰まった時期ですが、来週の木曜日に伶楽舎の雅楽公演が開催されます。今回は、夢枕獏さんの『陰陽師』やそれを原作とした岡野玲子さんの漫画『陰陽師』でも知られるようになった源博雅(みなもとのひろまさ)にちなんだ楽曲の特集です。伶楽舎の公演は毎回企画の宝庫ですね。雅楽の世界が生き生きと輝き、どんどん広がっていく様に立ち会えるのは、なんと素晴らしいことでしょうか。

伶楽舎雅楽コンサート no.26
天の音楽 世間の楽〜源博雅をめぐって〜
日時=2012年12月27日(木) 午後7時開演(開場6時半)
場所=四谷区民ホール(四谷区民センター9階、地下鉄丸の内線新宿御苑前駅下車徒歩5分)
<プログラム>
〔第一部〕
管絃「太食調音取、長慶子」
篳篥独奏
琵琶秘曲「啄木」(琵琶独奏)
芝祐靖「二管の龍笛のための 朱雀門梁震」(盤渉調 萬秋楽より)
〔第二部〕
管絃「皇麞 破、急」
増本伎共子作曲「博雅の生まれた日に・・・」(委嘱初演)

お話=石田百合子(古典文学研究家)
音楽監督=芝祐靖/企画・主催=伶楽舎
助成=芸術文化振興基金


伶楽舎から頂いた本公演についてのコメントをご紹介いたします。

今回の雅楽コンサートでは、源博雅を取り上げます。「陰陽師」で広く一般にも知られるようになった源博雅ですが、いにしえから数多の逸話のある人物で、雅楽の世界ではこれまで多くの人を魅了してきました。
第一部では、博雅のエピソードを、お話と実演を交えながら紹介致します。博雅の作曲した曲として、唯一伝わる現行曲である「長慶子」を管絃の演奏で、また、博雅の得意とした大篳篥の演奏や、三年間琵琶法師の元に通って習ったという琵琶の秘曲を演奏致します。加えて、芝祐靖「二管の龍笛のための 朱雀門梁震」(初演)は、朱雀門で鬼と笛を吹き交わしたという説話を元に今回特別に構成した作品で、二管の笛が効果的に絡みながら、舞台上で博雅と鬼の姿を浮かび上がらせます。
第二部では、今回のタイトル「天の音楽 世間の楽」に関連して、先ず、世間の楽として管絃で大曲「皇麞」をお聴き頂きます。これに対して、博雅が生まれる時に聞こえたという「天の音楽」とはどのような響きだったのか、これを再現すべく、増本伎共子氏に、古書(古今著聞集)の記述にある楽器編成を元に新作をお願いしたところ、管絃13人という特別な編成の作品を書いて下さいました。「博雅の生まれた日に・・・」(委嘱初演)、どうぞご期待下さい。

伶楽舎ホームページ

(堀内)