じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

《萱野茂没後10年記念企画 アイヌ語を贈るプロジェクト》開始!

イランカラテ。
アイヌ語で「こんにちは」「はじめまして」。『萱野茂アイヌ語辞典』にはこんな風に書いてあります。イ=それ(あなた)の、ラ=心、カラ=触れる、テ=させる → 〈あなたの心にそっと触れさせていただきます〉という意味。


萱野茂氏(かやの しげる 1926-2006)


このたび財団では、萱野茂氏の没後10年という節目にあたる2016年から企画した、貴重なアイヌ語の資料を寄贈するプロジェクトを実施しています。詳しくはコチラ⇒【萱野茂のアイヌ神話集成】萱野茂没後10年記念企画 アイヌ語を贈るプロジェクト – 日本伝統文化振興財団


寄贈する作品内容(CD11枚、書籍10冊、VHS1巻)


昭和30年代テープレコーダーはまだ珍しく、録音テープが大変に高価だった時代に、「アイヌの古老たちの語りや言葉を、今録音しなければアイヌ語は失われてしまう」という強い使命感を持って記録に臨んだのが萱野氏でした。自らが録音し、選び、執筆したアイヌの壮大な物語を、体系的にまとめたものが『萱野茂アイヌ神話集成』です。
アイヌ文化に触れ、アイヌの物語を知る上でも、また言語学的資料としても大変に貴重かつ充実した内容を備えた資料です。ちなみに、第52回 毎日出版文化賞(1998年)、第14回文化庁芸術作品賞(1999年)を受賞した作品です。CDと書籍は完全に対応していますので、CDを聴きながら、アイヌ語のローマ字表記、日本語の訳を読むことができます。

萱野氏がアイヌ民族初の国会議員として尽力したのは、1997年「アイヌ文化振興法」の成立でした。このことで、アイヌ文化の保存に光が差し込みました。さらに「二風谷ダム裁判」では、アイヌ民族が「先住民」であるという札幌地裁の判断を勝ち取り、萱野氏が亡くなってからも2007年の国連における「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択、2008年の「アイヌ民族先住民族とすることを求める決議」が国会の全会一致で議決、以後様々な取り組みが急速に現実味を帯びてきました。オリンピック・パラリンピックを迎える2020年には、北海道白老に「国立アイヌ民族博物館」が開館する予定です。


(二風谷にて)

私たちは、萱野茂氏をはじめとするアイヌ民族の誇りと文化の保存と発展に尽くした先人たちの努力に心からの敬意をはらうと共に、アイヌ文化がより広く深く理解され、世代を越えて継承されていくことを心から願って、自分たちにできる取り組みを今後も続けて行きたいと思います。


(二風谷にて)

(やちゃ坊)

「伝統を未来に・・・」2017


あけましておめでとうございます
日本伝統文化振興財団は、平成5年の発足以来、日本の伝統文化の振興と発展に向けた公益事業に取り組んでおります。
本年も伝統芸能の記録・保存・公刊をはじめ、公演事業、国際交流、教育支援など、幅広い視点で伝統文化を支える活動を進めてまいります。
皆さまには変わらぬご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
     平成29年 元旦
            公益財団法人日本伝統文化振興財団
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能への扉「融 舞返」

早いもので今年もあと一月あまり。朝晩の寒さも厳しくなってきました。空気がピリッとして透明になってくるこの季節になると、毎晩月を見上げるのが楽しみになってきます。残念ながら私、先日のスーパームーンは見逃してしまいましたが、今の時期の月は、一層冴えわたるというか、何か思いを馳せずにはいられない美しさです。
そんな月への日本人の特別な想いは、今も昔も変わりません。
今回是非おすすめしたいのが、能の名曲「融」の公演です。

12月3日(土)14時開演 
能への扉vol.4 ひろがる幽玄の世界in表参道
能「融 舞返」谷本健吾
会場/銕仙会能楽研修所

「あら名残惜しの面影や」。ご存知の方も多い、世阿弥の傑作で、紫式部源氏物語』の主人公・光源氏の実在モデルの一人ともいわれる源融(みなもとのとおる)の物語。
地歌・筝曲では石川三つ物の一つとされている大曲「融」の元曲ですので、地歌ファンも必見の舞台です。
詳しいあらすじはコチラ

また、今回の公演の見どころの一つで「舞返」という小書(特別演出)がつき、いつもとは違う演出がご覧いただけます。終演後には「融を終えて【舞返】小書演出の効果を解き明かす」30分程度の無料講座もあるので、より理解が深められます。
チケットはこちらから

年末年始は、伝統芸能に触れる機会の多くなる時期です。是非能楽堂へ足をお運びいただき、一時だけでも、年末の慌ただしい気持ちを落ち着けて、感慨に耽ってみてください。

(M)

「奇蹟の爪音 衛藤公雄」のCD好評発売中!!


かつて全米でこんなに活躍したアーティストがいたことを、ご存知ですか?「もう一人の宮城道雄」ともいうべき、盲目の天才箏曲家衛藤公雄!

音楽の殿堂カーネギーホールでのリサイタル、コンサートホールの最高峰リンカーンセンターで日本人初のリサイタル、全米40州を越える演奏ツアー、著名レーベルからのLPアルバム発売、ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団との共演、ビートルズに先駆けての武道館初のコンサート開催・・・こんな空前絶後の音楽活動を成し遂げながら、人々の記憶から忘れ去られてしまった衛藤公雄・・・。

このCDは、2012年12月24日に他界した衛藤の遺品から発見された膨大なオープンリールテープに残された演奏記録の音源を精選、衛藤公雄が辿った音楽家としての軌跡をデジタル復刻によって初めて明らかにするものです!
箏の爪音の美しさに人生の全てを懸けた箏曲家・衛藤公雄、この2枚組のCDは、その輝かしい生命の記録です!!

DISC-1には、宮城道雄作品と古典作品から7曲。DISC-2には衛藤自身の作品から10曲収録しました。
●収録内容
【DISC-1】宮城道雄・古典篇
1)瀬音 宮城道雄作曲(KIMIO ETO NEW YORK'S FIRST KOTO RECITAL、カーネギーホール、1961/10/1)
2)春の海 宮城道雄作曲(衛藤公雄第二回定期演奏会国立劇場大劇場、1968./3/30)
3)さらし風手事 宮城道雄作曲(収録場所不明、1973頃) 
4)秋の調 小林愛雄作詞 宮城道雄作曲(収録場所不明、1975頃)
5)水の変態(一部抜粋) 大和田建樹作詞 宮城道雄作曲(衛藤幸明サマーコンサート、中央区立中央会館、1982./7/23)
6)五段砧 光崎検校作曲(衛藤幸明定期演奏会中央区立中央会館、1980/2/26)
7)六段 八橋検校作曲(スタジオライブ、ビクタースタジオ302、1982/10/18)
【DISC-2】作品篇
1)雪の幻想 (KIMIO ETO NEW YORK'S FIRST KOTO RECITAL、カーネギーホール、1961/10/1)
2)潮流 (衛藤公雄第一回定期演奏会国立劇場小劇場、1968/1/25)
3)建設の響き (衛藤公雄音楽生活三十五周年記念演奏会、サンケイホール、1968/10/18)
4)軍艦マーチ (生田衛藤流講習会、広島市生田衛藤流稽古場、1972/1/29)
5)箏独奏による さくら (生田衛藤流稽古場、1973/10) 
6)希望の曲(勝利への曲) (収録場所不明、1975頃)
7)春の姿 (収録場所不明、1975頃)
8)箏尺八二重奏曲 (衛藤幸明定期演奏会中央区立中央会館、1980./2/26)
9)荒城の月変奏曲 (スタジオライブ、ビクタースタジオ302、1982/10/18)
10)輝ける未来に寄せて (スタジオライブ、ビクタースタジオ302、1982/10/18)

<主な演奏者>歌・箏:衛藤公雄、十七弦:大塩寿美子、尺八:山口五郎、箏:初代米川敏子、ヴァイオリン:江藤俊哉


●作品情報
タイトル:「奇蹟(きせき)の爪音(つまおと)/箏のレジェンド 衛藤公雄(えとうきみお)」
Miraculous Resonances:The Koto Legend Kimio Eto
発売日 :11月9日予定
仕様  :CD2枚組
商品番号:VZCG−8572〜3
定価  :4,000円+税
・執筆者 :久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)/谷口和巳(小学館刊『奇蹟の爪音』著者)/藤本 草(公財・日本伝統文化振興財団会長)
・全曲ライヴ音源
・別冊解説書付き(本文52頁、解説、年譜、プロフィール、英文サマリー等)
・ENGLISH NOTES ENCLOSED
発売元 :公益財団法人日本伝統文化振興財団
販売元 :株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
※このCDは一般発売商品につき、全国のCDショップ店及びネットショップで購入いただけます。
じゃぽ音っと作品情報:奇蹟の爪音/箏のレジェンド 衛藤公雄 /  衛藤公雄

●衛藤弘幸(生田衛藤流 家元) 衛藤公雄 長男
レコード会社に勤務しながら、長い間衛藤公雄の音楽は、日本では時流に合わない古臭いものだと思わざるを得ないまま長年過ごしてきましたが、このCDを聴かせて頂いて、果たして本当にそうなのだろうかと改めて考え直しています。是非、若い方々の感想を聴きたいと思っています。

●スティーヴ エトウ(パーカッショニスト) 衛藤公雄 次男
幼少の私には父親はおらず、敬語で会話する衛藤先生という存在のみ。しかしながら今回の音源を聴きつつ思い出すのは、二人で散歩したセントラルパーク、帰国後も度々留守にする父を羽田で涙目で見送ったことなど。やはり親子でした。              

●レナード衛藤(太鼓奏者) 衛藤公雄 三男
秘蔵音源を聴くというよりも、その時代の空気に入り込むような感覚。昔のジャズのような一発録りの臨場感と気迫。そして、箏とともに人生をドライブさせていた父の音楽人生を感じることができました。私も50か国以上で演奏してきましたが、音楽に自由を求め、人生をドライブさせていくこと。音楽家として最もクリエイティブな生き方を再認識したアルバムと言えます。

●ライナーノーツより/久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)
今改めて聴きますと、惚れ惚れするような素晴らしい爪音で、手の動きはまるで神技のようです。そして紡ぎ出された音楽には、単なる超絶技巧の披瀝ではなく、情趣が溢れ、人間的な温か味が宿っています。
衛藤公雄はまさにレジェンドの人です。これほどの人が、何故、埋もれてしまったのでしょうか? その足跡に迫った今回のCDの発売を機に、箏の爪音の美しさに全てをかけた箏曲家の、その輝かしい生命の記録を、今一度振り返ってみようではありませんか。

●ライナーノーツより/藤本 草(日本伝統文化振興財団会長)
衛藤公雄の音楽の最大の魅力は、その研ぎ澄まされた箏の音色=爪音にある。現代の箏曲界の最高峰と目される名手達と比肩する群を抜いた演奏力を、衛藤はその時代にすでに獲得していた。・・・各CDの冒頭には昭和36年10月1日カーネギーホールでのリサイタルにおける宮城道雄作曲「瀬音」と自作曲「雪の幻想」を収録、全米の聴衆を魅了した衛藤の箏の音色と演奏力の際立つ高さをこのデビューリサイタルの演奏に聴くことができる。
●この作品は書籍&CD同時発売です!!
衛藤公雄の波瀾万丈の生涯をたどるバイオグラフィ
『奇蹟の爪音―アメリカが熱狂した全盲箏曲家・衛藤公雄の生涯』
小学館刊 谷口和巳著  本体1,800円+税 2016年12月5日発売 

(やちゃ坊)

砂崎知子先生 第36回伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞!!


本年度受賞者の皆様と共に。

本年度のポーラ賞授賞式は、10月26日ANAインターコンチネンタルホテル東京で行われました。今回は財団としても大変嬉しいことに、箏曲家の砂崎知子先生が、優秀賞を受賞されました!そして、奨励賞は京舞の伝承が評価され、井上安寿子様が受賞!!

砂崎先生は、かねてより宮城道雄作品の演奏には大いに定評のあるところではありましたが、古典から現代曲にいたるまで幅広いジャンルを、超絶技巧とも思える演奏で弾きこなすことはもちろん、ヴィヴァルディの「四季」を箏合奏曲としてアレンジ・演奏・録音など、これまでに大いに活躍されてきました。


ポーラ賞の披露演奏はヴィヴァルディの「四季」!!

近年ではオリジナル曲の作曲を手がけ、楽譜やCDの発行で積極的に普及に努めておられることは既にご承知の通り。今年の初めには、箏道音楽院を設立し、後進の育成にも尽力されていますね。


財団からは3枚の作品集がは好評発売中です!!
詳細はコチラ⇒じゃぽ音っと作品情報:光の中で/砂崎知子箏作品集(1) /  砂崎知子じゃぽ音っと作品情報:烏城/砂崎知子箏作品集(2) /  砂崎知子じゃぽ音っと作品情報:富士讃歌/砂崎知子箏作品集(3) /  砂崎知子
今秋の受賞にあたり、砂崎先生は、「母より受け継いだ宮城芸術を基盤とし、現代に生きる箏曲を、創作と演奏により後世に残してゆくことを使命として、この受賞を機に精進してゆく」とのコメントを発表しています。


ポーラ賞のお祝に駆けつけて下さった池田弘一先生と共に!!

我らがトモゴン!がんばれ〜!!!!

(やちゃ坊)

「ミスター古曲」鈴木庸生さんの追善演奏会

「〜故人の多彩な芸歴を辿って〜 鈴木庸生(鈴木信男)追善演奏会」が2016年10月15日(土)、紀尾井小ホールでありました。

鈴木庸生(本名、鈴木信男)さんは1951(昭和26)年生まれ。2014年5月9日、63歳で永眠されましたが、今年三回忌を迎えたのを期に奥さまの鈴木彩家子さんが主催された追善演奏会です。鈴木庸生さんといってもご存じない方も多いと思いますが、邦楽界では次のような芸名で広く活躍されていました。

小唄・・・竹枝 せん男 (ちくし せんお)
東明流・・・東明 吟泉 (とうめい ぎんせん)
荻江節・・・荻江 里泉 (おぎえ りせん)
河東節・・・山彦 良波 (やまびこ りょうは)

とくに邦楽の貴重な分野、「古曲」といわれる荻江節、河東(かとう)節ではなくてはならない存在で、古曲会主催の演奏会「古曲を知る」シリーズでは立三味線を受け持つことが多く、関係者の間ではひそかに「ミスター古曲」と呼ばれていました。この演奏会シリーズを収めた当財団発売のCDセット「古曲の今」と「古曲の今 第二集」には、それぞれ7曲の演奏が収められています。

古曲の今」(CD12枚組)VZCG-8362 2006年 → じゃぽ音っと作品情報:古曲の今(12枚組)
山彦良波の名で河東節「泰平住吉踊」、「邯鄲(下の巻)」、「児桜竹馬の鞭」、荻江里泉の名で荻江節「深川八景」、「松・竹」、「鐘の岬」、「分身草摺引」の三味線。


古曲の今 第二集(CD10枚組)VZCG-8464 2010年 → じゃぽ音っと作品情報:古曲の今 第二集 ── 河東節・一中節・宮薗節・荻江節 ── (10枚組)
山彦良波の名で河東節「松の内」、「浮世傀儡師」、「道成寺」、荻江里泉の名で荻江節「現在道成寺」、「紅葉狩」、「喜撰」「紅葉賀」の三味線。

10月15日の追善演奏会では、ご本人出演の荻江節「深川八景」の映像が流されました。唄のご出演で、とてもよいお声でした。残念ながらCDには唄は収められていませんが、河東節では三味線方が「ハオー」と声をかけるのが特徴で、その良波さんの声とお姿を思い出しながら拝見しました。
小唄の「竹枝せん男」さんとしても、当財団はご縁がありました。毎年7月に開催している「ビクター名流小唄まつり」では、ご出演だけでなく、竹枝派のまとめ役としてお世話になりました。亡くなられた一昨年も、ご社中の出演順や曲名の表記など、電話口で優しく教えてくださいました。これがお声を聞いた最後になってしまい、7月の小唄まつりのご出演は叶いませんでした。
プログラムにある略歴を拝見すると、お母さまが小唄の師匠で、幼少より手ほどきを受けたということです。これほど広い芸歴をもっていますが、その始まりは小唄で、いちばん長く続けていらしたことがわかります。小学3年生のとき、三味線を弾きながら小唄を唄う天才少年として、NHKの人気番組「私のひみつ」に出演したというエピソードも写真付きで掲載されていました。

小唄に加えて、子供のころから日本舞踊、常磐津、長唄囃子も学ばれたそうです。東京芸術大学長唄囃子で入学されたというのは少し意外でした。追善演奏会の会場ロビーには写真もたくさん展示されていて、そのなかには大鼓を打っている珍しいお写真もありました。大学在学中から長唄三味線と東明流、卒業後に一中節、荻江節、河東節を学ばれたということです。
63歳というお歳はあまりにも早く、本当に惜しまれます。演奏家としてももちろんですが、貴重な邦楽の分野の、次の世代への橋渡し役として、まだまだ活躍していただきたかったと思うばかりです。
追善演奏会では、タイトルのとおり故人の多彩な芸のなかから、小唄、荻江節、河東節が演奏され、最後は散る花を惜しむ曲、東明流の「花の心」で締めくくられました。

「〜故人の多彩な芸歴を辿って〜 鈴木庸生追善演奏会」プログラム

■小唄
縁日の(麦湯むすめ)/紺の前だれ
 唄 竹枝千雪  糸 竹枝せん喜美
恋しき人は/わしに逢いたくば
 唄 竹枝紋寿  糸 竹枝せん喜美
■故人の映像 (小唄 平成24年4月22日収録)
夕立や田を/鉢の朝顔
 唄 竹枝せん男  糸 竹枝せん喜美
■故人の映像 (荻江節 平成25年10月4日収録)
深川八景
 唄 荻江里泉 荻江裕
 三味線 荻江里一 荻江里暢
荻江節
遍昭(荻江里泉 復曲)/喜撰
 唄 荻江七重  三味線 荻江里一 荻江里暢
荻江節
短夜(みじかよ)
 唄 荻江泉江  三味線 荻江里一 荻江里暢
■河東節
秋の白膠木(ぬるで)
 唄 山彦花葉 山彦まさ子
 三味線 山彦千子 山彦季代乃
■東明流
花の心
 唄 東明栄三舟 東明昶舟 東明吟和 東明柚紀舟
 三味線 東明幹舟 東明吟峰 東明遊舟 東明吟宗
 箏 渡辺鳳代賀

(Y)

柴田南雄生誕100年・没後20年!!

合唱ファンにはおなじみの柴田南雄先生は、今年生誕100年・没後20年を迎えました。

あらゆる分野で偉業を成し遂げた柴田先生ですが、とりわけシアターピースのなかでも、尺八を演奏しながら客席の中を行き交う「追分節考」、まりつき、お手玉、羽子板など子どもたちが遊びをしながらわらべ歌を歌う「北越戯譜」などは、合唱ファンならずとも馴染み深いものがあるのではないでしょうか。
追分節考」「北越戯譜」を収録したCDは上記VZCC-91、92の2枚組CDです。詳細はこちら⇒ じゃぽ音っと作品情報:柴田南雄/合唱のためのシアター・ピース[SHM-CD増補解説版](2枚組) /  田中信昭(指揮)/佐藤信(演出)/東京混声合唱団/他
北越戯譜」関連記事はこちら ⇒じゃぽブログ「大の阪(大の坂)」 
西洋音楽の手法を知り尽くした上で、日本民謡東大寺の声明など日本文化にも大変深い理解と興味を持ち、合唱の世界に新しい世界を切り拓いた巨匠の偉業には、改めて感動することしきりです。演奏会も多数行われることと思いますが、この機会に、もう一度聴きなおしてみてはいかがでしょうか???

「無限曠野」「児童合唱のための銀河街道」ほかを収録した2枚組CD

詳細はこちら⇒ じゃぽ音っと作品情報:無限曠野/銀河街道 ── 柴田南雄後期作品集(2枚組) /  高橋悠治、田中信昭、東京混声合唱団 他

「優しき歌・第二」ほかを収録したCD

詳細はこちら⇒ じゃぽ音っと作品情報:日本合唱曲全集 優しき歌・第二/柴田南雄 作品集 /  東京混声合唱団 他

11月5日には東洋音楽会第67回大会の公開講演会があり、「東洋音楽学会と柴田南雄―学会創立80周年と柴田南雄生誕100周年にあたり―」と題したシンポジウムが開かれます。それに続いて、柴田南雄作品(「熊野へ参らむと」「遠野遠音」)の公開演奏会も予定されています。

公開講演会・演奏会は、会員以外の方も自由に聴講できるそうです。詳しくはこちらをご覧ください。→ 一般社団法人 東洋音楽学会

(やちゃ坊)