昨日、NHK教育テレビ「芸能花舞台」を視聴しました。
日本の伝統芸能を映像で見せてくれる数少ないテレビ番組。こういった趣旨のものは、音だけでなく実際の絵とあわせて観たいと思うからこそ、もっと増えてくれないものかとつねづね思っています。
今回は「女流義太夫の魅力“娘義太夫”“阿古屋”」と題し、人間国宝・竹本駒之助さんをはじめとする女流義太夫の方々、さらに生田流箏曲家・川瀬露秋さんが加わり、生ではなかなか観ることのできない顔ぶれ、かつ明治のころの寄席に見立てた舞台で観ることができました。
竹本駒之助さんといえば、「人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界(11枚組)」を→◆。
しかも、こちらは平成21年度(第64回)文化庁芸術祭レコード部門を受賞(じゃぽ音っと内の記事→◆)
さらに女流義太夫をディープに知りたい方は、じゃぽ音っとの作品検索にあります「女流義太夫の魅力 (4枚組)」もご覧ください◆。
さて今回の演目は「鷺娘」と「阿古屋」。
とくに駒之助さんがご出演された「阿古屋」は「壇浦兜軍記」の“阿古屋琴責の段”として歌舞伎でも知られています。女流義太夫の三味線のみなさんに、川瀬露秋さんの三味線、箏、胡弓を駆使した合奏で、そこへ駒之助さんの浄瑠璃……それはそれはとても見ごたえがありました。
源氏方の名将・畠山(秩父)重忠が、平景清の遊女・阿古屋への取り調べに箏、三味線、胡弓を演奏させ、音色に乱れがないかどうかをみる……という演目なので、とても緊張感のある演奏。素晴らしかったです。
ご出演された水野悠子さんがおっしゃっていたように義太夫協会のHPもぜひご覧ください◆。素浄瑠璃と呼ばれ、文楽のような人形は普段付きません(ただしコラボレーションも多く、とても柔軟に活動されているとのこと)が、女流義太夫のみなさんは頻繁に公演されています。機会がありましたら、ぜひ足をお運びください……明治時代、当時の若者が“娘義太夫”に夢中になり、まるで今のアイドルの応援のような掛け声で「どうする連」「おっかけ連」と呼ばれるほどの熱狂ぶりだったとか(ファンに作家が多く、夏目漱石、高浜虚子、北原白秋、石川啄木に樋口一葉、そして志賀直哉が大ファンだったそうですね)。
23日(日)NHK教育テレビ午後11:30〜24日午前0:15に再放送◆がありますから、見逃した方はぜひチェックしてください!
(じゃぽ音っと編集部T)