じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

CD「春の海〜水の変態 安藤政輝 宮城道雄を弾く」ご紹介

本日は、CD「春の海〜水の変態 安藤政輝 宮城道雄を弾く」(ジャンル:生田流箏曲)をご紹介します。

本CDは、2009年4月22日にリリースされました。

収録曲は、
1、「春の海」
2、「さくら変奏曲」
3、「さらし風手事」
4、「瀬音」
5、「水の変態」
です。

演奏者の安藤政輝師は、東京藝術大学音楽学部邦楽科教授として生田流箏曲の指導にあたられています。また宮城道雄の作品を紹介する演奏会も二十年にわたり、開催されています。本CDでは、数多い宮城道雄作品の中でも、広く親しまれている5曲を収録しました。

本CDは、すべてのパートを安藤師が演奏され、多重録音によって収録しています。1曲目の「春の海」は本来2人で、2曲目の「さくら変奏曲」は3人で、3曲目の「さらし風手事」、4曲目の「瀬音」、5曲目の「水の変態」は2人で演奏されます。ですから・・
計11パートですね!

録音方法は、例えば「水の変態」などは先に本手パートを録音し、その本手パートをスタジオに流して、それを聞きながら替手パートを演奏していただきました。

普段、舞台などでは演奏相手が見えるので、フレーズの弾き出しや、掛合い(応答形式で交互に演奏する部分)では呼吸が感じられるので、演奏をあわせることが出来るのですが、流れてくる音楽ではそれがわかりづらく、特に一定のテンポを持たず「間」や「呼吸」によって拍を運ぶ純邦楽の曲ですので、録音は大変だったのでは・・と思います。

録音技術的には、録音時にその楽器のあるべき演奏場所に移動して(例えば、お箏の時は左側、十七弦の時は右側のように)、演奏していただきました。
また通常の録音では数種類の楽器が同時に響くので、それぞれの音色やニュアンスが混ざってしまうのですが、今回は別々の録音ですので、各パートがクリアに聞こえます!「春の海」は本来は箏と尺八の二重奏ですが、本CDでは尺八パートを胡弓で演奏していただきました。

約1年の歳月をかけて録音、制作に望みました。是非お聞きいただければと思います。また新しいアルバムも制作中ですので、お楽しみに!

本日スタジオにて収録。記念撮影・・なんだか暗くですみません。カメラの設定が変だったそうです。制作担当:うなぎは写真を撮るのが、まだ苦手です。

(制作担当:うなぎ)