じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い


CD:箏曲「六段」とグレゴリオ聖歌クレド
監修・解説・指揮:皆川達夫(音楽学者、中世・ルネサンス音楽史)、解説:久保田敏子(京都市芸術大学日本伝統音楽研究センター所長、日本音楽史)、演奏:野坂操壽(箏)/中世音楽合唱団/神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団 ほか、英文解説付き
2011年3月23日発売 VZCG-743 ¥3,000+税

◎ 収 録 曲 目
01 少年使節歓迎ミサ曲『グローリア』
02 秀吉御前における少年使節の演奏曲『千々の悲しみ』
03 マリア典礼書中の『連祷』(聖マリアの連祷)
04 グレゴリオ聖歌クレド』第三番
05 グレゴリオ聖歌クレド』第四番
06 グレゴリオ聖歌クレド』第一番
07 グレゴリオ聖歌クレド』第一番 (拍節リズム演奏)
08 グレゴリオ聖歌クレド』第三番と『六段』(初段・二段との合奏)
09 グレゴリオ聖歌クレド』第四番と『六段』(初段・二段との合奏)
10 グレゴリオ聖歌クレド』第一番と『六段』全曲合奏
11 箏曲『六段』

先日の21日月曜日、オペラシティで『題名のない音楽会』の収録がありました。テーマは「箏の名曲はキリシタン音楽?」ということで、TV放送は5/29日曜日が予定されています。
上にジャケット写真を掲載しました3/23水曜日発売のCD『箏曲「六段」とグレゴリオ聖歌クレド』(VZCG-743)の情報と合わせ、ツイッター上でもたくさんの反響をいただきまして、CDの解説書から抜き出し書き換えるかたちで、今日はクレドについて少々説明いたします。

クレド Credo>とは、カトリック教会におけるミサ通常文の第3番。キリスト者としての信仰を表白する「信仰宣言」で、4世紀に成立しました。グレゴリオ聖歌として歌われるクレドは、それぞれ旋法の異なる第1番から第6番までがあり、共通して同一の歌詞と、メロディの同一の長さや区切りをとります。
具体的には『クレド』第1、第2、第5、6番は第4[ヒポフリジア]旋法、第3番は第5[リディア]旋法、第4番は第1[ドリア]旋法によります。
まず司祭が「われは信ず、唯一の神 Credo in unum Deum」と唱えて始まり、続く合唱が「全能の父 Patrem omnipotentem」と歌い出し、前半部では創造主である父なる全能の神と、人間の姿で誕生して十字架上に受難したイエス・キリストへの信仰を、また後半部ではキリストの復活、父と子と三位一体である聖霊への信心などが歌われます。
すなわち聖歌『クレド』は、司祭の冒頭句で開始され、合唱による前半部と後半部との二部構成をとり、最後に「アーメン(しかあれかし)」の言葉で結ばれます。
Appendix『題名のない音楽会』の収録日のツイート→公益(財)日本伝統文化振興財団(@japojp)/2011年02月21日 - Twilog

(J)